2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の咀嚼・嚥下機能保持に必要な食品の物性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13672028
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 敦子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90168097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 耕一郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80313518)
山田 好秋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80115089)
野村 修一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40018859)
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Keywords | 食品物性 / 嚥下補助食品 / 表面筋電図 / 嚥下機能 |
Research Abstract |
急速に進む高齢化を迎え,各種の全身疾患による心身障害や老衰のため寝たきりの状態となった高齢者への介護が大きな社会問題となっている.このような全身状態の衰えた高齢者の介護では,多くはチューブを介して栄養を補給する方法がとられている.しかし,患者のQOLを考えたとき,食物の経口摂取は患者に心理的な満足感を与え,生きる源でもある.そこで今回の研究は高齢者の嚥下機能に嚥下補助食品の物性の及ぼす影響について明らかにすることである. 1)健常な中年群(40〜50歳代)と高齢群(60歳代)の被験者に試料として3種類で2味の食品を与えた. 2)試料は嚥下補助食品としての介護食用寒天と普通寒天,ゼラチンの3種類で味は無味とオレンジ味の2種である. 3)測定は筋電図をもちいて,側頭筋,口輪筋,舌骨上筋,舌骨下筋の4筋から表面電極で記録した. 4)食感,味覚についての官能評価もあわせておこなった. その結果:介護食用寒天,普通寒天,ゼラチンの3種類の食品間で筋電図上での変化が見られなかった,官能評価は食感,味覚ともゼラチンが良いと評価した人が多かった.以上のことから,嚥下機能は筋電図で変化がないので,食品物性からみて,経管栄養直後は嚥下訓練食としてゼラチンを用いて,その後は天然素材で繊維が多くなおかつ介護施設などでは,品温管理の比較的容易で物性もゼラチンに近い介護食用寒天が望ましいと思われた,
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