2002 Fiscal Year Annual Research Report
チェアーサイドで行うインプラント周囲の歯槽骨破壊のリスク診断
Project/Area Number |
13672031
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒川 光 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30304314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 昭夫 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (00335613)
矢谷 博文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80174530)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00225195)
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Keywords | インプラント周囲炎 / MMPs / 歯肉溝滲出液 / ELISA法 / PCR法 / Western blotting / 骨吸収 |
Research Abstract |
本院で口腔インプラント治療を行いメインテナンスを受けている患者に対しPICFの採取,歯周病原因菌に対する末梢血清抗体価の測定,PCR法を用いたPICF中の細菌検査を行った.また,前年度同様の手法で,インプラント周囲炎患者に対し保存療法を試み,治療効果を検討した. [方法] 1.本院でメインテナンスを受けている口腔インプラント患者31名を経過良好郡とし,インプラント体除去を主訴に来院した患者7名を経過不良郡とした.また,口腔インプラント治療を行っていない歯周状態が健康な34名を対照群とした. 2.歯周病原因菌に対する末梢血清抗体価は,ELISA法により測定した. 3.細菌は,16SリボゾームRNAに対するDNAプローブを用いたPCR法により同定した. 4.同意が得られたインプラント周囲炎患者に対し歯周外科を行い,術前術後に採取したPICF中のMMP-8を抗MMP-8モノクロナール抗体を用いたWestern blottingにより検出した. [結果] 1.末梢血清抗体価は,成人性歯周炎の原因菌として知られるP.g, E.nにおいて,経過良好郡,経過不良郡とも対照群と比較して高い値を示した. 2.口腔インプラント周囲歯肉溝にも天然歯と同様の頻度でP.g, A.aが生息していた. 3.インプラント周囲の骨吸収部位に対する歯周外科6カ月後のレントゲン所見は,術前と比較して骨の添加が認められ,かつMMP-8の検出はみられず,経過は良好であった. 我々は,口腔インプラント周囲組織破壊の生物学的リスクマーカーをプロテインチップを用いて,網羅的,解析的に検索する準備をしている.これにより,チェアサイドで簡便に口腔インプラント周囲骨吸収の生物学的リスクを測定できる検査システムを構築できると考える.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 荒川 光 ほか: "口腔インプラントの生存に関する疫学調査:オッセオインテグレーションの獲得と維持からみた評価"日本口腔インプラント学会誌. 15・1. 67-74 (2002)
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[Publications] 荒川 光ほか: "オッセオインテグレーションの獲得と維持からみた口腔インプラントの臨床予後評価"日本補綴歯科学会雑誌. 46特別号. 58 (2002)
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[Publications] 荒川 光 ほか: "インプラント周囲炎リスクマーカーとしてのMMP-8の可能性"日本IMZ・フリアリット-2インプラント研究会 第7回学術大会・症例検討会抄録集. 7. 15 (2001)
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[Publications] Arakawa et al.: "Matrix Metalloproteinases in Gingival Crevicular Fluids of Peri-implantitis Patient"Journal of Dental Research 80. (Special Issue). 212 (2001)