2002 Fiscal Year Annual Research Report
顎運動再現システムを用いた6自由度咬合器の開発と応用
Project/Area Number |
13672039
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西川 啓介 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (10202235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 広興 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (10271082)
薩摩 登誉子 徳島大学, 歯学部, 助手 (80335801)
山崎 有紀子 徳島大学, 歯学部附属病院, 医員 (60332821)
坂東 永一 徳島大学, 歯学部, 教授 (00014168)
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Keywords | 6自由度顎運動 / 咬合器 / FGP法 / 歯冠補綴物 / 咬合面形態 |
Research Abstract |
I.目的 本研究の目的は6軸制御ステージを用いて被験者の顎運動を機械的に再現することにより,これを補綴物の製作に使用する咬合器として応用し,6自由度顎運動の完全な再現の可能な高精度咬合器の開発することにある. II.方法 被験者として上顎左側第一大臼歯に全部鋳造冠による歯冠補綴を予定した患者(31歳,男性)を同意を得て選択した.支台歯形成及び印象採得は本学附属病院補綴科で用いている標準術式に準じて行った.顎運動の測定は磁気位相空間を利用した顎運動測定器BS-3を用い行った.顎運動の再現には6軸自動制御ステージ(ヘキサポッドM-850-50型,PI-polytec社製)を用いた.支台歯模型にFGP用ワックスを咬合面に築盛したオクルーザルテーブルを装着し,上下顎模型をヘキサポッド可動ステージに取り付けた状態で,顎運動の再現を行い,下顎歯列模型の運動経路を印記した.オクルーザルテーブルに印記した対合歯の滑走運動記録から機能コアを採得し,FGP咬合器を用いて蝋型採得を行った後,通法に従い埋没,鋳造し全部鋳造冠を製作した. III.結果と考察 BS-3の分解能は平行移動において約10μmであり,回転移動について0.001°である.またヘキサポッドの運動精度は平行移動について0.5〜1.0μm,回転運動について1.0 arcsec(0.000278°)と高いものであり,測定した.自由度顎運動データをほぼ完全な形で再現することが可能であった.また顎運動の再現に際して,歯列模型には歯根膜などによる弾性がないため,模型を強固に固定すると,咬み込み現象を生じ歯列模型を破壊する恐れがあった.そこで本研究では上顎模型の固定の際にシリコーン印象材を歯列模型と固定装置の間に注入し,印象材の弾性を利用した緩圧機構を持たせることにした.開発した6自由度咬合器によって被験者の顎運動に調和した全部鋳造冠の咬合面形態を製作することができた.
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Research Products
(1 results)