2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
冲本 公繪 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (00037532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 浩一 九州大学, 歯学研究院, 助手 (30229421)
寺田 善博 九州大学, 歯学研究院, 教授 (30038898)
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Keywords | 高齢者 / 咀嚼能力 / 人工試料テキスチャー / エネルギー表示法 / 篩分法 / 吸光度 |
Research Abstract |
我々は人工試料カプセルを用いた有歯顎者用の咀嚼能力のエネルギー表示法(Nakashima at al : J Oral Rehabil 16:373-380,1989)に注目し,咀嚼力の小さい義歯装着者や高齢者にも適応可能な高齢者用人工試料テキスチャーとして「高齢者カプセル」の開発を行い,現在その臨床有効性について研究を続けている. 同カプセルの基礎的性質,咀嚼能力のエネルギー変換式についてはすでに基礎実験で明らかにした. 同試料による咀嚼能力の測定方法は,ゴムカプセル内に封入された色素内包顆粒が外力で破壊されて漏出し,この濃淡を吸光度計で計測し,その咀嚼粉砕能力をエネルギー変換して数値で表示する仕組みである.試料回収率も100%と正確という利点に加え,短時間で客観的評価ができ被検者の負担が少ない.さらに無歯顎提対合においても咀嚼能力評価が可能であることも大きな特徴で臨床応用範囲は広い. 本研究の目的は同カプセルを用いた咀嚼能力評価法と他の評価法とを比較検討した上で,要介護者を含めた高齢者の咀嚼能力を評価し,その咀嚼機能メインテナンスを行う際の臨床指標を得ることであり,本研究の社会的意義は大きい. 本年度は大学付属病院にて新たに総義歯を製作し,使用に慣れた自立高齢者無歯顎集団16人を対象に,カプセル咀嚼により求められるエネルギー表示法による咀嚼能力と,他方法として節分法および平井らのアンケート法で咀嚼機能を評価し,各方法における咀嚼能力評価の関連性を求めた.高齢者用カプセルと篩分法との間は相関係数が0.547(P<0.05),またカプセルとアンケート間の相関係数は0.687(P<0.005)で有意な相関が認められたが,篩分法とアンケートとの有意な相関は認められなかった. 今後,有歯顎高齢者や要介護高齢者の咀嚼能力を調査し,様々な状態の高齢者の咀嚼能力を客観的方法で評価する指標を構築するための足がかりとしたい.
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