2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への訪問歯科診療における印象の消毒処理方法に関する研究
Project/Area Number |
13672055
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平口 久子 日本大学, 歯学部, 助手 (10147647)
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Keywords | 訪問歯科診療 / アルジネート印象材 / 消毒 / 混水比 |
Research Abstract |
高齢者に対する訪問歯科診療時の印象の消毒に着目し,印象精度の低下を伴わない消毒方法のマニュアルを作製することを目的として実験を行なった.市販アルジネート印象材10製品について,印象(直径30mm,厚さ5mm)の水中60分間の寸法変化を無加圧直接法により測定した.その結果,印象の水中60分間の寸法変化は74〜120μmであった.10製品中,寸法変化の小さいAFIII(寸法変化74μm)および寸法変化の大きいJLP(寸法変化115μm)を選択し,アルジネート印象材の混水比(標準,標準-0.2,標準+0.4)が印象の薬液浸漬消毒による片側の顎堤断面模型の寸法および形態の変化に及ぼす影響について検討した.薬液浸漬消毒は,1%次亜塩素酸ナトリウム溶液中10分間浸漬(1SH),2%グルタルアルデヒド溶液中30分間浸漬(2GA)とし,コントロールとして薬液浸漬なし(浸漬なし)についても検討を行なった.浸漬なしでは,AFIII,JLPのいずれにおいても,模型の寸法および形態の変化に及ぼす混水比の影響は小さかった.1SHでは,AFIIIは,混水比の大きさにかかわらず,模型の寸法および形態の変化に及ぼす印象の薬液浸漬による影響は小さかった.JLPは,標準-0.2で,印象の薬液浸漬によって模型が反トレー方向へ変位する傾向が認められた.2GAでは,AFIII,JLPのいずれにおいても,印象の薬液浸漬によって,模型が反トレー方向へ変位し,顎堤斜面に模型の変形が認められた.この印象の薬液浸漬による模型の寸法および形態の変化は,混水比が小さくなるほど大きくなる傾向を示した.以上から,アルジネート印象の薬液浸漬消毒では,印象材の混水比を小さくして使用する場合には,水中での寸法変化の小さい印象材を選択し,1%次亜塩素酸ナトリウム溶液中10分間浸漬を行なうことによって,印象の薬液浸漬による模型の再現性の低下を抑制できることが判明した.
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