2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672063
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
五十嵐 順正 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20107303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 武史 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80298405)
山下 秀一郎 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (80242212)
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Keywords | 欠損歯列 / 短縮歯列 / 治療介入の是非 / 治療方針決定 / 修復・補綴処置 / 咬合支持 / 顎関節3次元的画像診断 / 患者の主観評価 |
Research Abstract |
平成10〜11年度基盤研究(C)(2)(10671849)、:欠損歯列における咬合支持と咀嚼能力の回復、(研究経費:1,800千円)における研究方法に基づき、臼歯部に連続的な歯冠修復の必要な被検者において充分なインフォームドコンセントの後、被覆冠を一時的に撤去することにより、実験的な咬合支持喪失状況を設定し、6自由度下顎運動測定装置(MMJ-II松風)を用い、噛みしめ時の下顎位の変化の状況をBonwill三角の変位として測定・記録した。咬合支持を失った状況下における被験者の下顎変位を検討したところ、咬合支持の喪失は任意噛みしめ時の咬合力低下を生じたが、小さな咬合力により大きな下顎変位を来すことが示された。以上は研究分担者小澤らが文献1)に公表した。 本課題における研究では、従来の研究成果をベースとして、欠損歯列にたいする補綴治療介入と短縮歯列適応についての治療方針決定(Decision Making)にはどのような事項を評価すべきかを検討した。評価法として、聞き取り、アンケート法により患者の主観評価をおこなう一方、術者による客観評価法として、口腔内検査、顎関節の3次元的画像診断による欠損側と健常側の皮角検討、読字に開発した簡易下顎運動測定システムによる任意噛みしめ時の下顎の変位測定を検討した。客観的・主観的な評価を組み合わせることにより、欠損歯列患者における補綴治療介入の是非が診断可能であると言う方向性が示唆された。今後の方向性としては今回得られた研究成果を基により多くの臨床疫学的展開を行い、欠損歯列にたいする補綴的治療介入の根拠を明らかとし、EBMに基づいた欠損補綴処置の礁立に努めたく、現在7大学において共通の目標を立てて行う、マルチセンタースタディーを企画し、平成16年度科学研究費補助金の申請を行ったところである。以上の知見の一部は文献に公表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kozawa T: "Posterior occlusal support and bite force influence on the mandibular position."Eur J Prosthodont Res Dent. 11・1. 33-40 (2003)
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[Publications] 五十嵐順正: "欠損歯列における咬合支持と短縮歯列の考え:その運用と限界"日本補綴学会雑誌. 47・5. 721-733 (2003)
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[Publications] 山下秀一郎: "短縮・歯列(SDA)のコンセプト:短縮歯列患者の咬合支持と顎機能"日本補綴学会雑誌. 47・5. 753-761 (2003)