2002 Fiscal Year Annual Research Report
下顎骨延長法における延長骨の骨質に関する実験的研究
Project/Area Number |
13672075
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
松田 光悦 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30173850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤盛 真樹 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70343019)
竹川 政範 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50216876)
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Keywords | 骨延長 / 骨密度 / 骨塩定量 / CTスキャン / 骨強度試験 / 走査型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
平成13年度および14年度における当該研究の概要を以下に述べる. 研究概要 生後6ヶ月、体重3kg前後の家兎(雄)を使用し、左下顎骨の骨延長を歯科矯正用開大装置を改良した創外延長装置によって行った.術後4日間の待機の後、1日1回0.9mmの延長を8日間行い、終了後の保定期間を5,7,14,21,28,56日として、以下の方法で検討した. 検討方法と結果 延長骨の成長形態と骨密度:各試料のCT値を計測し、その値を骨量ファントムB-MASを用いてCaCO3相当量に換算して骨量を定量した.その結果、骨量は保定4週でピークに達し、その後はやや減少を示した.同じ試料のSEM観察では、延長終了後3-4週で新生骨は成熟骨の形態を示し、その後は骨形成と骨吸収の混在した形態を示した. 骨強度の検討では、保定4週のものが加重に対し最大の抵抗を示したが、それ以上の保定では抵抗力は減少した. 結論 本研究結果より以下の結論を得た. 1.ウサギ下顎骨における骨延長後の保定期間は4週が適当であった. 2.CTにおける仮骨部位の評価は仮骨の成熟度を評価し、延長装置を除去する時期の決定の評価の1つとして有用であり、実際の臨床においても有用と思われた. 3.走査型電子顕微鏡では延長間隙に向かって膜性骨化の特徴である新生骨の骨梁形成が認められ、舌側で14日目、頬側でも21日目には骨による延長間隙の架橋構造はほぼ完成していた. 4.長期の保定は、骨の代謝に必要な適度のメカニカルストレスを排除し,骨の脆弱化を招く可能性が示唆された. 5.今後、さらに長期にわたる延長骨の改変についての検討が必要である.
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