2001 Fiscal Year Annual Research Report
αGalactosylceramide処理した樹状細胞の抗腫瘍メカニズムの解析
Project/Area Number |
13672079
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋元 亘 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (30323033)
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Keywords | 糖脂質 / 抗腫瘍効果 / NKT細胞 / IFN-γ / IL-12 / 樹状細胞 / 腫瘍内投与 / 癌免疫療法 |
Research Abstract |
αGalactosylceramide(α-GalCer)は,マウス癌転移モデルで抗腫瘍効果が報告されている.これまでに我々は,α-GalCer処理した樹状細胞をマウスの皮下腫瘍内に投与することにより,皮下腫瘍に対して著明な抗腫瘍効果を発揮すること,そしてその抗腫瘍効果にはNKT細胞が必須であることなどを見い出している.しかし,その抗腫瘍効果におけるIFN-γやIL-12の役割など,詳しいメカニズムについてはまだわかっていない.そこで平成13年度は,マウス皮下腫瘍モデルにおけるα-GalCer処理樹状細胞(DC)の腫瘍内投与の抗腫瘍効果とIFN-γ, IL-12の関与について検討した.その結果, 1)MCA205細胞をC57BL/6+/+,Vα14-NKT-K.O., IFN-γ-K.O.マウスの皮下に移植し,7,10日後にα-GalCer処理DCを腫瘍内投与すると、C57BL/6 +/+, IL-12 K.O.マウスにおいては抗腫瘍効果を認めたが、Vα14-NKT K.O., IFN-γ K.O.マウスでは抗腫瘍効果は減弱した.2)IL-12 K.O.マウスDCの投与でも抗腫瘍効果を認めた。3)α-GalCerを腹腔内投与後に肝臓、脾臓の単核球の細胞傷害活性を解析したところ,C57BL/6 +/+,IL-12 K.O.マウスでは増強がみられたが,Vα14-NKT K.O., IFN-γ K.O.マウスでは増強がみられなかった。以上よりα-GalCer処理DCの腫瘍内投与により抗腫瘍効果が認められること,そしてそれはINF-γに強く依存するが,IL-12の関与は少ないことが示唆された(論文準備中).今後更に,ヒト末梢血に対するα-GalCerの反応性等を調べることにより,α-GalCerのヒト悪性腫瘍治療への臨床応用の可能性について検討を加えていきたい.
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