2003 Fiscal Year Annual Research Report
5-アミノレブリン酸を用いた口腔癌の診断および治療に関する研究
Project/Area Number |
13672080
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鬼澤 浩司郎 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60194578)
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Keywords | 紫外線励起蛍光 / 口腔癌 / アミノレブリン酸 / 光化学療法 |
Research Abstract |
ヌードマウス背部皮下にHSC-2、HSC-3、HSC-4の腫瘍を作成し、5-アミノレブリン酸(ALA)投与による光線力学療法のin vivoにおける抗腫瘍効果を検討した。これまでの研究成果をもとに、ALAを500mg/kgの濃度で腹腔内に投与し、4時間後に紫外線蛍光撮影を行い、腫瘍にポルフィリンの集積を確認した後に、赤外線照射器により光線を照射した。380〜3000nmの波長の光線(全波長光線)およびプロトポルフィリンに効果的な波長である630nmのフィルターにより調節した光線(630nm光線)を使用した。照射条件としては、周波数は1〜4Hzのパルス照射や連続照射の効果を比較し、照射時間は5、10、15、30分と種々の時間の照射を行った。赤外線の温熱効果については、最大でも10度を超えない温度上昇の範囲にとどめるように配慮した。1回のみの照射ではなく週1回照射を3週間繰り返す方法も検討し、抗腫瘍効果は腫瘍径の変化と組織学的変化により評価した。その結果、小さい腫瘍(直径10〜15mm)では、ALA投与+全波長光線群、ALA投与のみ群、全波長光線のみ照射群および対照群で比較すると、ALA+全波長光線群が他の群と比較して1週間後の腫瘍の増大は有意に少なく、増殖抑制が認められた。しかし、大きな腫瘍(直径20〜25mm)に対しては、ALA+全波長光線やALA+630nm光線での抗腫瘍効果はほとんど認められず、5週間の経時的変化も対照群と差を認めない状態であった。照射条件を種々検討したが、抗腫瘍効果が十分に得られないことも多く、臨床応用のためには抗腫瘍効果を高めるべくさらなる検討が必要と考えられた。
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Research Products
(1 results)