2001 Fiscal Year Annual Research Report
結合組織成長因子(CTGF)を分子標的とした癌の骨破壊制御に関する基礎的検討
Project/Area Number |
13672093
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00170663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 徹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30243463)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
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Keywords | 破骨細胞性骨吸収 / 結合組織成長因子 / 高カルシウム血症 / 骨浸潤 / 骨転移 / 血管新生 / アンチセンス / 分子標的治療 |
Research Abstract |
口腔領域は周囲を骨に囲まれているという解剖学的特徴を持つことより口腔領域悪性腫瘍の顎骨への浸潤・骨破壊はしばしば認められ,患者の予後を左右する負の要因となっている。申請者は癌の骨浸潤,骨転移における骨内の増殖は破骨細胞性骨吸収に引き続いて起こることに着目し,破骨細胞性骨吸収を標的とした治療法の基礎的検討を進めてきた.結合組織成長因子(connective tissue growth factor : CTGF)は,内軟骨性骨化を促進する重要な因子であると共に血管内皮細胞に対しても増殖,遊走および管腔形成を促進する.骨内に浸潤増殖する腫瘍に対してCTGFを分子標的にした治療の臨床応用への可能性を明らかにするために,本年度は,CTGF-sense(CTGF-S),CTGF-antisense(CTGF-AS)オリゴヌクレオチドの破骨細胞性骨吸収過程における分子機構の解析を行った. 1)破骨細胞形成系に対する影響: CTGFの発現は免疫組織学的染色において破骨細胞,骨髄間質細胞の両者にCTGF蛋白の発現を認めたが,CTGF mRNAは破骨細胞形成を支持するマウス間質細胞株ST2,マウス頭蓋冠由来骨芽細胞様細胞,MC3T3-G2/PA6には発現を認めたが,脾細胞および破骨細胞には発現を認めなかった.マウス骨髄細胞あるいはST2と脾細胞の共存培養による破骨細胞形成系においてCTGF-ASは破骨細胞形成を抑制した. 2)成熟破骨細胞の骨吸収活性に対する影響 Dentin slice上での破骨細胞による吸収窩のサイズを測定し,破骨細胞の骨吸収活性に対するCTGF-ASの影響を検討したがCTGF-ASは骨吸収活性を抑制せず,破骨細胞機能を反映するアクチンリング形成にも影響しなかった. 3)破骨細胞形成制御因子(Osteoclastgenesis inhibitory factor/OCIF),破骨細胞分化因子(Osteoclast differentiation factor/ODF)への検討 CTGF-ASはVit D3存在下でのST2におけるODF mRNAの発現を抑制したが,OCIF mRNAの発現には影響を示さなかった.また,CTGF発現の調節にFCS存在下ではVit D3は影響しなかった. 以上よりCTGFはODF発現を調節し,破骨細胞性骨吸収において破骨細胞性形成を抑制することが示唆された.
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