2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672095
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
嶋田 昌彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40170948)
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Keywords | 静脈内鎮静法 / プロポフォール / BISモニター / 血中濃度 / 平衡機能 |
Research Abstract |
研究内容に同意を得た健康成人ボランティア12名を対象とした。前日の十分な睡眠,実験当日朝より絶飲絶食を指示した。仰臥位にて左右前腕に静脈確保を行い,モニターを装着し20分間安静を保ち,プロポフォールを6mg/kg/hで5分間持続投与後,3mg/kg/hで85分間持続投与をした。投与終了後60分間安静にし,その間各種検査および採血を行った。 (測定項目) 鎮静度(BISモニター,鎮静スコア),平衡機能検査(定性,定量ともに閉眼および開眼で行った),血圧,脈拍数,呼吸数,動脈血酸素飽和度,プロポフォールの血中濃度。 (結果) 1.BIS:投与前に比べ30〜90分後に鎮静程度も深くなり,中止10分後に回復した。 2.鎮静スコア:投与30〜90分後に有意に変化し,鎮静程度はおおむねBIS値と似た傾向を示した。 3.平衡機能検査:定性,定量検査とも投与中止後10分後に機能が障害され,中止30分後には回復していた。定性による検査は閉眼が開眼に比べ難しく,評価が困難であった。 4.血中濃度:投与60分,90分後には各々1.0,1.3μg/ml(平均値)で鎮静に適正な濃度であった。 5.その他:血圧,脈拍数,呼吸数とも臨床的に問題になる測定値はなかった。酸素飽和度は投与30,60分後に有意に低下した。 (考察) 1.BIS値と従来の鎮静スコアには相関があり,BIS値が鎮静程度の評価に有効であった。 2.プロポフォールの投与中止後,BIS値及び鎮静程度が回復しても平衡機能が回復しない時間があることが示された。 以上のことから,帰宅許可の判断には,回復過程における覚醒の程度,BIS値及び平衡機能等の総合的な評価が必要であることが示唆された。
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