2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロポフォールによる静脈内鎮静法の研究-BISモニターと血中濃度を中心に-
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13672095
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
嶋田 昌彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40170948)
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Keywords | 静脈内鎮静法 / プロポフォール / BISモニター / 血中濃度 / 平衡機能 |
Research Abstract |
知的障害者歯科治療時の静脈内鎮静法におけるBISモニターの有用性を評価するために、BIS値と処置内容との関係、BIS値と覚醒時間との関係を検討した。 (対象と方法) 対象は静脈内鎮静法下に歯科治療を受けた知的障害者症例10例で、年齢27.2±8.9歳(16〜45歳)であった。静脈路を確保しBIS値の測定を開始した。歯科治療中プロポフォールを持続投与し鎮静程度を維持した。鎮静中は、血圧、脈拍数、経皮的動脈血酸素飽和度をモニターし、酸素を経鼻カニューレより2l/分で投与した。歯科治療の処置内容と処置中のBIS値の最頻値との関係を検討した。また、歯科治療終了時のBIS値、歯科治療中と歯科治療後のBIS値の最頻値、最高値、最低値と覚醒時間との関係を検討した。 (結果) 歯科治療時間:38.5±12.0分、投与終了から覚醒まで:31.4±18.8分、プロポフォール総投与量:243.8±86.3mg、プロポフォール投与速度:6.5±2.2mg/kg/hrであった。歯科治療中のBIS値の最頻値は35-55で、処置内容に関わらず同程度であった。BIS値と覚醒時間の関係は、歯科治療終了時および治療後のBIS値と覚醒時間に有意な相関関係が認められました。しかし、歯科治療中のBIS値と覚醒時間には有意な相関関係は認められませんでした。 (考察) 歯科治療の処置内容に関わらずBIS値は術中いずれの処置においても55以下であった。歯科治療終了時および治療後のBIS値と覚醒時間に有意な相関関係が認められたことから、歯科治療終了時のBIS値を高く保つことにより覚醒を速くできるのではないかと考えられた。以上によりBISモニターの有用性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 北 ふみ, 宮脇卓也, 嶋田昌彦: "高速液体クロマトグラフを用いた血中プロポフォールの測定について"岡山歯学会雑誌. 21・2. 191-194 (2002)
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[Publications] 北 ふみ, 宮脇卓也, 嶋田昌彦: "静脈内鎮静法におけるプロポフォールの投与方法の検討"岡山歯学会雑誌. 21・2. 195-200 (2002)
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[Publications] 北 ふみ: "プロポフォールを用いた静脈内鎮静法の回復過程の検討"岡山歯学会雑誌. 22・1(印刷中). (2003)