口腔癌細胞のspectral karyotyping法による染色体構造異常の解析

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13672100
• Research Institution: Yamaguchi University
• Principal Investigator: 伊田 正道 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (60176279)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐々木 功典 山口大学, 医学部, 教授 (80116722)
• Keywords: SKY法 / 口腔扁平上皮癌 / 染色体構造異常

Research Abstract

われわれは、口腔扁平上皮癌の複雑な染色体構造異常を示す核型を解析するにあたり、Spectral Karyotyping (SKY)法を用いるため、その手技の修得に努めた。
また、今回の研究対象となる口腔扁平癌細胞株KM3(50歳男性、中分化、口底癌)を使用しSKY法による解析を試みた。その結果、次ぎのような多くの染色体構造異常が認められた
-1,der(1)t(1?:1?:9?),der(1)t(12?:1?),der(1)t(9?:1?),
-3,der(2)t(2?:10?:11?),der(3)t(6?:3?:6?),-4,-5,
-6,der(6)t(1?:?),der(7)t(7?:10?),der(79t(7?:1?),-8,del(8)(8q),
-9,del(9)(9p)×3,-10,der(12)t(1?:12?)×2,-13,der(139t(5P:13:5P),
-15,der(15)t(15?:13p?),-16,der(169t(1?:16?)×2,-18,-19,+20.
これらの構造異常が口腔癌発生進展に関与していることが示唆された。さらにこの結果はComparative genomic hybridization法の結果と矛盾を示さなかった。今後口腔癌発生進展に関与する染色体構造異常を解明するためさらに症例数を加算していきたい。