2003 Fiscal Year Annual Research Report
口腔病変におけるオーダーメイド医療実現化に向けての研究
Project/Area Number |
13672103
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森藤 政代 九州大学, 大学病院, 助手 (90271113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 康介 九州大学, 農学研究院, 助教授 (00192170)
大石 正道 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70037505)
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Keywords | 口腔病変 / 癌 / 浸潤・転移 / マイクロアレイ解析 / 個性 / オーダーメイド医療 |
Research Abstract |
同所性移植法にて浸潤・転移能に相違のあるヒト舌癌細胞株間において、我々が作製した15000個のcDNAアレイを用いたマイクロアレイ解析を行った。転移性癌細胞株群と非転移性癌細胞株群ではそれぞれの群で遺伝子の発現パターンが類似しており、転移抑制候補遺伝子として,<human complement compoment C3,CDNA encoding cancer metastasis inhibitory protein, MHC class II, microsomal eporide hydrolasel 1 (p53/HEH exporide hydrolase, p33/HEH exporide hydrolase),inositol polyphosphate 1 phosphatase, TAR RNA loop binding protein(TRP-180),CGI-52 protein, normal cartilage, erythrocyte band 7 integral membrane protein>、転移関連遺伝子として<RER1,3p21.1あるいはDnaJ,EST>を同定した。同様に患者検体の癌原発巣と転移巣間とのマイクロアレイ解析を行ったが、発現パターンに共通性を得るには至らなかった。この原因として採取時の条件によりRNAの破壊を認め解析をすることができない検体があり、かなりの症例数が必要であること。動物実験モデルを使用した過去の報告より、転移性癌細胞の存在下では非転移性癌細胞も転移する可能性があるため、採取した転移巣には単独で転移能を有する癌細胞と転移能を有さない細胞の両癌細胞が存在している可能性があること。また原発巣も転移巣も採取部位により存在する細胞の性質が異なる可能性があること等によると考えられた。遺伝子発現と予後に関しては平成12年以前の検体が使用できなかったため、この3年間では予後との相関が言えるまでに至らなかった。予後因子を検出するためには、現在の解析結果を更に累積し経過を検討していく必要性があった。検体数や年月を考えると長期保存でも解析可能なタンパク質の発現解析を行い、その結果と予後を検討することが有用であると考えられた。以上より癌細胞株を用いて得られた分子のタンパク質の発現と予後の関係の検討を今後の発展性と考えている。
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