2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における組織学的悪性度とテロメラーゼ活性の関係について
Project/Area Number |
13672123
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
畑田 憲一 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (00256299)
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Keywords | 口腔癌 / テロメラーゼ活性 / 組織学的悪性度 / 扁平上皮癌 / Fluorescence-based T.R.A.P |
Research Abstract |
2001年10月に行われた第46回日本口腔外科学会(鹿児島)において本テーマについての研究成果を発表した。 以下概要を示す。 テロメラーゼは不死化細胞として、生殖細胞と癌細胞に特異的に発現するものと考えられている。口腔領域においても悪性腫瘍では組織型を問わず90%以上の発現率が報告されている。そこで我々は当教室で確立した4NQO誘発ラット舌癌の発癌過程におけるテロメラーゼ活性の推移と病理組織学的変化について観察するとともに、発癌した組織のテロメラーゼ活性を測定し、テロメラーゼの口腔癌の境界病変におけるスクリーニングとしての有用性を確認するための実験を行い、第45回本学会総会において発表した。そこで、今回はこの結果を臨床にフィードバックする目的でヒト口腔扁平上皮癌組織を用いて、Fluorescence-based T.R.A.P.法を用いてテロメラーゼ活性を測定し、組織学的悪性度およびそのほかのパラメーターとの関係を検討したのでその概要を報告する口腔扁平上皮癌25例のテロメラーゼ活性を測定し以下の知見を得た。 1.腫瘍部のテロメラーゼ活性値は健常部と比較して有意に高値であった。 2.腫瘍部のテロメラーゼ活性値と、年齢、原発部位、肉眼的視診型、T、N、pN、予後、分化度、浸潤様式といった各種パラメーターとの関係をクラスカルウォリスの検定を用いて検討したところ、N分類との関連が認められたが他のパラメーターとは関連が認められなかった。 3.臨床的なパラメータとして、原発部位に関しては頬粘膜、視診型に関しては潰瘍型、Tに関してはT3、pNに関してはpN(+)群、予後に関しては不良群のテロメラーゼ活性が他のものより高い傾向が認められた。 4.組織学的なパラメーターとして、分化度に関しては低分化型、浸潤様式に関しては4c、4d型のテロメラーゼ活性が他のものより高い傾向が認められた。 6.テロメラーゼ活性と臨床的および組織学的な悪性度の間には統計学的有意差は認められなかったが、総合的に悪性度の高いものは高値を示す傾向が認められた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 矢島安朝, 野間弘康, 横尾恵子, 山本信治, 野村武史, 畑田憲一, 他: "口腔扁平上皮癌周囲にひろがるヨード不染部のテロメラーゼ活性定量と組織学的所見"日本口腔外科学会雑. 47巻10号. 593-599 (2001)