2002 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒過程における上皮組織の化学伝達因子に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
13672130
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
高井 良招 朝日大学, 歯学部, 教授 (70197044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝井 康行 朝日大学, 歯学部, 助手 (30329487)
小川 知彦 朝日大学, 歯学部, 教授 (80160761)
齋藤 雅則 朝日大学, 歯学部, 助手 (30308663)
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Keywords | 創傷治癒 / 内毒素性リポ多糖 / 表皮角化細胞 / エンドトキシン血症 / サイトカイン |
Research Abstract |
内毒素性リポ多糖(LPS)は,感染局所における創傷の治癒を遅延することが知られている.本研究はこれら創傷治癒遅延の機序の一端を明らかにするためにLPSに対する表皮角化細胞の応答性について検討した.その結果,下記のような知見が得られた.1.ヒト表皮角化細胞株であるHaCaTは,TNF受容体およびIFN-γ受容体mRNA発現を示したが,CD14およびTLR4発現はみられなかった.2.リコンビナントヒト(rh)TNF-αはHaCaT細胞のIL-8およびMCP-1 mRNA発現ならびにIL-8産生を誘導し,rhIFN-γはMCP-1 mRNA発現の増強ならびにIL-8 mRNA発現およびIL-8産生誘導の抑制を示した.3.大腸菌LPS添加ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)培養上清は,HaCaT細胞のIL-8 mRNA発現を増強した.4.rhTNF-αおよびrhIFN-γならびに大腸菌LPS添加PBMC培養上清は,HaCaT細胞の増殖を抑制した.また,大腸菌LPS添加PBMC培養上清によるHaCaT細胞の増殖抑制は,抗ヒトTNF-αあるいは抗ヒトIFN-γ抗体により抑えられた.5.rhTNF-αおよびrhIFN-γは,HaCaT細胞に対して明確なアポトーシスを誘導した.6.大腸菌LPS投与マウスは,背部皮膚の創傷治癒遅延がみられた.以上の結果から,感染局所で細菌の病原因子により誘導される宿主細胞からの内因性因子が表皮角化細胞に作用し,細菌の感染局所における創傷治癒の遅延を惹起することが考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 平井 経一郎: "上唇に発生した多形性腺腫の2例"岐阜歯科学会雑誌. 29・1. 57-61 (2002)
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[Publications] Sumitomo, S.: "CASE REPORT : Congenital sinus of the upper lip with idiopathic precocious puberty"Oral Diseases. 8. 308-309 (2002)