2002 Fiscal Year Annual Research Report
咬合圧負荷条件下における各種インプラントにかかる応力の分布とそれに伴う顎骨反応
Project/Area Number |
13672131
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
兼松 宣武 朝日大学, 歯学部, 教授 (40076097)
|
Keywords | 歯科インプラント / 過重負担咬合 |
Research Abstract |
過剰な咬合力の負荷とインプラント周囲炎を惹起させた場合に、インプラントと骨との接合状態の異なる2種類のインプラント間で、その周囲骨の破壊に違いが発現するか否かを検索する目的で、下記の実験を行なった。 1)骨との接合状態の異なる1)チタンスプレーコーティングインプラント(TPSインプラント)と2)ヒドロキシアパタイトコーティングインプラント(HAインプラント)の2種類のインプラントを実験に用いた。 2)成犬の下顎の左右第3前臼歯を抜歯後、3か月目に左右に1本ずつ、2種類の異なったインプラントを埋入した。 3)埋入後3か月目に、正常な咬合より3mm挙上した上部構造物をインプラントに装着し、インプラントのみに過大な咬合力が負荷される様に調整した。また、インプラント頚部に絹糸を巻いてインプラント周囲炎を惹起した。 4)咬合力負荷後2か月目にインプラント埋立部のX線検査を行ない、インプラント埋入部の顎骨のコンタクトラジオマイクログラム(CMR)による骨の破壊状態を検索した。 以上の実験により、下記の結果が得られた。 1)X線検査の結果、HAインプラントの方が、TPSインプラントより、インプラント頚部の歯槽骨の吸収がわずかながら大きい傾向がみられた。 2)CMRの所見では、両インプラント共に、インプラント頚部の歯槽骨の吸収がみられた。しかし、両インプラント間の骨吸収量の有意差はほとんど認められなかった。 以上より、今回の実験条件では、HAインプラントの方が歯槽骨の吸収がやや多い傾向がみられたが、TPSインプラントと比較してその差は著明では無い。それ故に、今後、さらに咬合挙上量の増加、または咬合力負荷期間の延長などにより、インプラントに負荷する力量の増加を図ることにより、両インプラント間の周囲骨の吸収を比較検討する必要があると思われる。
|
Research Products
(1 results)