2001 Fiscal Year Annual Research Report
近交系DRHラットの発癌抑制機構とアポトーシス促進機構の関連性
Project/Area Number |
13672135
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
三浦 正資 福岡歯科大学, 歯学部・口腔外科学, 助手 (40320337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 貞夫 産業医科大学, 医学部・生化学, 助教授 (50131917)
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Keywords | Apoptosis / Telomerase / carcinogenesis |
Research Abstract |
Donryu系ラットにごく少数、肝臓の発癌性物質を投与しても癌の発生を認めない個体が見つかり、このようなラットを兄妹交配を繰り返し近交系発癌耐性ラットDRHが樹立された。 本研究はDRHラットの発癌耐性機構を解明するために、発癌剤投与によるDonryu及びDRHラットの標的臓器細胞のアポトーシスのメカニズム、及びテロメラーゼの制御機構の相違を調べることを目的とする。 Donryu, DRHラットに4NQOを投与し、発癌に至るまでの舌におけるテロメラーゼ活性の上昇過程を独自に開発した改良TRAP法を用いて観察した。その結果、両ラットの舌には微弱ながらテロメラーゼ活性の存在を認めた。また、4NQO未投与のDRHラットでは、テロメラーゼ活性はDonryuラットの1/3以下の値であった。Donryuラットの舌のテロメラーゼ活性は4NQO投与後二日目から上昇を認め、約3週間後にピークに達した。一方、DRHラットでは4NQO投与後七日目からテロメラーゼ活性の上昇を認め、同じく約3週間後にピークを示し、ほぼDonryuラットと同程度の活性を認めた。DRH、Donryuラットの細胞のアポトーシスの差異を調べるために、血液中のリンパ球を採取。リンパ球にActinomycinD、及びDexamethasoneを投与しアポトーシスを誘発した。ホスファチジルセリンに結合する蛍光プローブとフローサイトメトリーを用いてアポトーシス細胞を検出した。その結果、DRH、Donryuラットにおけるリンパ球細胞のアポトーシス細胞の様相に顕著な差は認められなかった。 今後、予想されるDRH、Donryuラットのアポトーシスの差異に関して、さらにリンパ球を用いてP-53,bcl-2等アポトーシス関連蛋白の検出、またラットにin vivoで4NQOを投与した際のアポトーシスの様相や細胞のproliferation potentialについてもDNA合成等を測定することで検討を行う予定である。
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