2001 Fiscal Year Annual Research Report
機械的刺激伝達系における低分子量GTP結合タンパク質の役割に関する研究
Project/Area Number |
13672138
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五十嵐 薫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70202851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 修一 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (60271954)
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (20272693)
三谷 英夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014220)
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Keywords | 低分子量GTP結合タンパク質 / 機械的刺激 / 骨 / 骨形成 |
Research Abstract |
目的:機械的刺激は骨の恒常性の維持にとって不可欠な因子であり、骨形成に到る機械的刺激のシグナル伝達経路を解明することは重要な課題である。本研究の目的は、機械的刺激のシグナル伝達機構における低分子量GTP結合タンパク質、特に細胞形態を制御しているとされるRhoやRacの役割について検討することである。本年度は、小動物の肢骨にミリニュートン単位の負荷とミクロン単位のひずみを任意の頻度で周期的に与えることができる微小負荷試験機を用い、低分子量GTP結合タンパク質に特異的な阻害剤が機械的刺激による骨形成反応に及ぼす影響を調べた。 方法:生後7〜8日齢のマウスより脛骨を摘出し、20mM HEPES DMEMを満たしたシリンダー内で、100mM,1000με,1Hzの条件の機械的刺激を10分間負荷した。負荷した骨はその後、15%馬血清を含むDMEM中で4〜6時間培養した。骨形成活性は、培養最後の2時間における^3H-thymidineと^14C-prolineの取り込み量で評価した。阻害剤として、Rho familyに特異的なinhibitorであるClostridium defficile toxin B(4ng/ml)を用いた。 結果:Toxin Bは、機械的刺激を負荷した骨による^3H-thymidineと^14C-prolineの取り込みを増加させた。機械的刺激を負荷しない場合、toxin Bはこれらの取り込みに影響を与えなかった。 結論:骨形成に到る機械的刺激のシグナル伝達経路において、Rho familyに属する低分子量GTP結合タンパク質が関与している可能性が示唆された。
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