2001 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル質形成不全症におけるアメロブラスチン・アメロジェニンの関わりと遺伝子診断
Project/Area Number |
13672147
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新谷 誠康 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90273698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 卓 大阪大学, 歯学部・付属病院, 講師 (00228975)
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Keywords | エナメル質形成不全症 / アメロブラスチン / アメロジェニン / 遺伝性疾患 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
エナメル質形成不全に罹患していない健全な日本人を中心とした15人のアジア人を被検者とした.被検者に対して大阪大学歯学部倫理委員会において承認された規約に基づき,十分な説明を行ったのち,被験者の同意のもとに静脈血を採取した.この静脈血より被検者個々のゲノムDNAを抽出し,polymerase chain reaction(PCR)によってこのDNAを増幅した.プライマーはエクソン全域と全てのスプライス部位を増幅できるように設計した.続いて,このPCR産物をテンプレートとしてダイレクトシークエンスを行ない,被験者個々の塩基配列を決定,比較することによってアメロブラスチン(AMBN)遺伝子の遺伝子多型を検討した.各々のエクソンおよびスプライス部位の塩基配列を被験者間で相互に比較した結果,AMBN遺伝子の翻訳領域で4箇所の1塩基置換が認められた.これらの置換は全て1塩基多型(SNP)と考えられ,エクソン13にのみ認められた.なお,コードされるアミノ酸が変化する非同義置換は認めらず,スプライス部位における塩基の変異は全く認められなかった.また,ヒトからのアメロジェニン,アメロブラスチン遺伝子の簡便法に関しては,擦過して採集した頬粘膜からのDNA採取が,PCRを行うには支障がないことがわかった.
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