2001 Fiscal Year Annual Research Report
物理的刺激が骨芽細胞と破骨細胞に及ぼす影響―情報伝達系に対する分子生物学的検討―
Project/Area Number |
13672160
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中尾 紀子 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20333578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 弘之 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70018753)
竹馬 聡 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50244075)
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Keywords | 遠心力負荷 / パルス電磁場刺激 / ヒト由来骨芽細胞様細胞 / 破骨細胞 / 細胞内情報伝達経路 / Prostaglandin / 石灰化能 / 骨吸収能 |
Research Abstract |
1)骨芽細胞はヒト正常皮質骨より初代培養法にて採取した。破骨細胞はマウス由来骨髄細胞に1,25(OH)2D3を添加して採取した。 2)力学的刺激として500から1500回転の遠心力を20分間、12時間ごとに負荷した。 電気的刺激として0から7ガウスのパルス電磁場を連続的に負荷した。 3)各種細胞内情報伝達経路の特異的阻害剤を添加して培養し、物理的刺激に対する反応性の変化を検討した。また物理的刺激によって骨芽細胞が産生するprostaglandinの同定を試みた。 4)ALPase活性、BGP産生能を測定し、骨芽細胞の分化過程を評価した。さらにVon Kossa染色を行い画像解析で石灰化能を評価するための解析プログラムの開発を試みた。TRACP染色を行い破骨細胞の形成能を評価した。さらにdentine slice上で培養しその吸収窩を染色して画像解析で吸収能を評価するための解析プログラムの開発を試みた。 5)結果ならびに考察:遠心力負荷により骨芽細胞のALPase活性、BGP産生能は強度依存的に上昇した。破骨細胞の形成能に著名な変化は認められなかった。一方、パルス電磁場負荷により骨芽細胞のALPase活性は強度依存的に上昇したが、BGP産生能は抑制された。破骨細胞の形成能はわずかに上昇する傾向が認められた。パルス電磁場を負荷した骨芽細胞にindomethacinを添加すると、濃度依存的に反応が減少した。しかしCalphostin Cには反応しなかった。以上より、物理的刺激は骨芽細胞の分化を促進すること、この反応にprostaglandin産生が関与しており、protein kinase Cは関与していないことが示唆された。prostaglandin産生が関与していたことは骨芽細胞を介して破骨細胞に作用している可能性が示唆された。両刺激に対する細胞応答が違ったことから、物理的刺激の種類によって、反応経路が異なる可能性も示唆された。今回、骨芽細胞の石灰化能ならびに破骨細胞の吸収能を画像解析するプログラムの開発を試みたが確立には至らなかった。
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