2003 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalisの細胞分裂関連因子を応用した歯周病リスク診断法の開発
Project/Area Number |
13672164
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
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Keywords | FtsZ / 歯周病 / P. gingivalis / 細胞分裂 |
Research Abstract |
我々はこれまでにPorphyromonas gingivalis(以下P. g)のペプチドグリカン合成過程に重要な酵素の一つであるmurC遺伝子の構造と機能を明らかにした。この領域は大腸菌におけるmra領域(murein synthesis cluster a)に相当しており、murC遺伝子の下流に3つのORFが存在し、それぞれが大腸菌のFtsQ、FtsAおよびFtsZに対して高いホモロジー(16%,33%,54%)を示すことがわかった。P.gFtsZは、他菌種FtsZと同様にGTPase活性を有するが、以下の点でユニークな性質を示すことがわかった。すなわち、1)GTPase活性がNa^+やK^+によって活性が阻害されること、2)Mg^<2+>非存在下でも活性を有すること、およびEDTAによって活性が阻害されないことが明らかとなった。また、P.gFtsZのC末端deletion mutantを作製して、大腸菌におけるfilamentationの変化を観察したところ、C末端から177アミノ酸をdeletionしたmutantでは、filamentationがみられなくなることからT281からR329の49アミノ酸残基内にP.gFtsZの機能に重要な領域が存在することが示唆された。そこで細菌由来のFtsZについてアラインメント分析を行ったところ,A320を中心とした10残基からなる保存領域が存在することを見いだし,A-domainと名付けた。site-directed mutagenesis法により作製されたAla320をターゲットにした2つの点変異株(A320HおよびA320R)では,P.gFtsZタンパクの発現によってfilament ationが観察されず,コントロールと同様の形態を示した。またA-domainのG322の点変異株においても同様の結果であった。これらの結果からP. gFtsZのAla320とGly322が細胞分裂に重要な役割を有していることが示唆された。A-domainはA.actinomycetemcomitans、T.denticola、P.intermediaなどの歯周病原因菌においても存在していることから、A-domainを含むプライマーを用いることにより、歯周病のリスク診断が可能であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yu, W., Ansai, T.et al.: "A conserved Ala320 in the FtsZ of Porphyromonas gingivalis is important for cell division."Curr.Microbiol.. 45. 355-361 (2002)
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[Publications] Kusaba, A., Ansai, T.et al.: "Cloning and sequencing of a hemk-family gene in Porphyromonas gingivalis."DNA seq.. 14. 71-74 (2003)
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[Publications] Ansai, T. et al.: "Construction of a pepO gene-deficient mutant of Porphyromonas gingivalis."Oral Microbiol. Immunol.. 18. 398-400 (2003)
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[Publications] Chen, X., Ansai, T.et al.: "Kinetic and site-directed mutagenesis studies of Prevotella intermedia acid....."Protein and Peptide Lett.. 10. 53-59 (2003)
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[Publications] Okamoto, M. et al.: "Inhibitory effects of green tea catechins on protein tyrosine..."Oral Microbiol. Immunol.. 18. 192-195 (2003)
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[Publications] 安細 敏弘(分担執筆): "新予防歯科学"医歯薬出版. 346 (2003)