2003 Fiscal Year Annual Research Report
In vivoにおけるフッ素の歯垢中細菌への影響について
Project/Area Number |
13672175
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
内川 喜盛 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (00176679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 智美 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (30277595)
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Keywords | 幼児 / 齲蝕 / フッ化物洗口 / ミュータンスレンサ球菌 / 染色体DNA |
Research Abstract |
4歳から5歳の幼児を対象に,週5日法にてフッ化物洗口を行い,フッ素が齲蝕原性細菌であるミュータンスレンサ球菌に及ぼす影響を調べるとともに,ミュータンスレンサ球菌と齲蝕経験数を用いた齲蝕発生の予測力について調査した。 被験者は4から5歳の園児,洗口グループ50名,非洗口グループ(コントロール)93名とした。ベースライン時に口腔内診査ならびにDentcultSMを用いてミュータンスレンサ球菌レベルを測定し,1年後再び同検査を行った。 ベースライン時の齲蝕歯面数には両グループ間では差は認められず,またミュータンスレンサ球菌のレベルにおいても差は認められなかった。1年後の齲蝕増加は,洗口グループではコントロールグループと比較して有意に低く,57%の抑制を認めた。また,ミュータンスレンサ球菌レベルと齲蝕経験数を予測因子としたとき,洗口グループにおいて高い鋭敏度を示し,逆に特異度は低い値であった。positive predictive値は洗口グループでは低く,negative predictive値は高い値を示した。唾液中のミュータンスレンサ球菌レベルはフッ化物洗口グループにおいて有意に減少を示した(p<0.001)。 以上の結果より,フッ化物洗口を行っている小児においてもミュータンスレンサ球菌のレベルおよび齲蝕経験数は齲蝕発症の予測において有効であることが示唆された。 フッ化物洗口によるミュータンスレンサ球菌レベルの減少傾向の原因を探ることを目的に,フッ化物がミュータンスレンサ球菌の染色体DNAに及ぼす影響を調べるため,染色体DNAの抽出および制限酵素の選択を行った。その結果,HeaIIIにおいてアガロースゲルを用いて行った電気泳動にてFingerprintが確認された。しかし,フッ化物による影響は観察できず,より詳細な検討を行うために本方法の今後の検討が必要と思われた。
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