2002 Fiscal Year Annual Research Report
Differential display法による歯周病局所病変の多面的解析
Project/Area Number |
13672185
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北村 正博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10243247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10263295)
池澤 一彦 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (80294114)
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
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Keywords | 歯周病 / 病態診断 / 歯肉組織 / 炎症性サイトカイン / 成長因子 / 歯肉線維芽細胞 / DNAチップ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本年度は、平成13年度に我々が開発した歯周病の病態診断用DNAチップ(マイクロアレイ)を用いて、実際に歯周病患者の歯周病罹患部位における様々な炎症性サイトカインや増殖因子などの遺伝子発現の検出を試みた。事前の十分な説明によりインフォームドコンセントが得られた歯周病患者において、歯周外科処置時に歯周ポケットが存在している部位より歯肉組織を採取した。得られた歯肉組織をメスにて細切した後、RNAzolを用いてtotalRNAを抽出した。一方、対照群として培養ヒト歯肉線維芽細胞からもtotalRNAを抽出し、各RNAをoligo-dTをプライマーとした逆転写反応により、蛍光色素Cyamine dye(Cy3およびCy5)標識プローブDNAを作製した。そして、これらのプローブDNAを歯周病の病態診断用DNAチップにハイブリダイゼーションさせ、各スポットの蛍光発光強度をスキャナーにて検出し、歯周病罹患部の歯肉組織と培養歯肉線維芽細胞における遺伝子発現とを網羅的に此較検討した。その結果、イムノグロブリン遺伝子、ケモカイン遺伝子等の免疫担当細胞に特徴的な遺伝子が歯周病権患歯肉組織において著明に発現していた。一方、培養歯肉線維芽細胞では、コラーゲン遺伝子、細胞接着関連遺伝子等の高い発現が認められた。これらの結果は、歯周病病巣局所に多数の免疫担当細胞が集積しているという組織病理学的な事実を遺伝子レベルで証明しており、我々の開発した歯周病の病態診断用DNAチップを用いた網羅的遺伝子発現の検出による歯周病局所病変の多面的解析が可能であることが示された。
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