2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672190
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安部 達也 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (80271112)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 由紀子 九州大学, 歯学部・附属病院, 医員(臨床)
相田 宜利 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (10127954)
前田 勝正 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117243)
|
Keywords | アルカリホスファターゼ / 線維芽細胞 / 細胞外マトリクス / フィブロネクチン / コラーゲン / インテグリン / アスコルビン酸 |
Research Abstract |
線維芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)発現の誘導に及ぼす細胞外マトリクスの影響について調べた。通常の単層培養条件でアスコルビン酸はALP活性及びタンパクの発現を誘導した。この誘導はフィブロネクチン・レセプターのインテグリンα5β1に対する抗体やプロリン・アナログによって抑制された。プロリン・アナログは細胞周囲のフィブロネクチン・フィブリルの配列を乱し、また、フィブロネクチン上での細胞進展活性を低下させた。フィブロネクチンをコートしたウェルに播種した細胞はアスコルビン酸に応答してALP活性を発現した。しかし、I型コラーゲン・ゲル上で2次元的に、あるいは、その内で3次元的に培養した細胞では、アスコルビン酸刺激によってALP活性は上昇しなかった。ALP活性を発現している細胞をコラーゲン・ゲル上に播種するとALP活性は低下した。I型コラーゲン細線維は、フィブロネクチンに播種した細胞のアスコルビン酸によるALP活性の上昇を抑制した。以上の結果から、細胞外マトリクスはアスコルビン酸による線維芽細胞のALP発現の誘導を調節することが示された。インテグリンα5β1を介したフィブロネクチンとの付着は線維芽細胞がアスコルビン酸に応答してALPを発現することを促し、一方、I型コラーゲン細線維との接触はこのALP誘導応答を抑制した。アスコルビン酸はヒトにとって必須の栄養素であることから、生理学的及び病理学的条件下における線維芽細胞のALP発現は細胞外マトリクス環境によって調節を受けていると推察される。
|
Research Products
(1 results)