2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性Prevotella属菌産生溶血毒素の性状および臨床学的役割
Project/Area Number |
13672197
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高田 和子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (20120496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 正知 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (60095453)
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Keywords | 歯周炎 / 黒色色素産生グラム陰性桿菌 / Prevotella intermedia / Prevotella nigrescens / 溶血毒素 |
Research Abstract |
Prevotella属菌は、初期歯周炎の患者から優勢に検出され歯周病の起因菌として重要な鍵となる役割を演じていると考えられる。この細菌の特性に黒色色素を産生すると同時に、強い溶血活性を有することが知られている。申請者らは、本菌属の産生する溶血活性物質の歯周病局所での病原性の解明の一助として、本物質の特性解析を検討している。P.intermediaには少なくとも2種類の溶血活性物質の存在することを突き止めた。1つは主に培養上清中に産生されており、わずかながら菌体結合性画分にも認められた。この溶血活性物質の性状は熱処理(100℃,10min)あるいは蛋白分解酵素処理においては完全に失活するところから易熱性蛋白と判断された。また,各種還元剤(Cystein, Dithiothreitol, Glutationなど)によりその活性は増強された。溶血活性はpHで差が認められ、溶血活性に影響を及ぼさない(pH6.0-8.0)範囲においてはpH7.5付近で最大値を示した。本物質はヒト赤血球のみならず兎、馬、羊赤血球に対しても溶血活性を示した。本溶血活性物質の成果については現在論文投稿中である。もう一種の溶血活性物質も主に培養上清中に存在するもののその産生量は前者の溶血活性物質に比べて微量なものである。その特性は現在分析中であるが、低分子量、難水溶性および比較的熱安定性であるこのなどが判明している。詳細な解析を鋭意行っている段階である。
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