2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672201
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
力丸 哲也 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10299589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 淳 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (70252989)
|
Keywords | 歯周疾患 / 遺伝的リスク因子 / 炎症性サイトカイン / HLA-DP / ハプロタイプ / Porphyromonas gingivalis / 末梢血単核球 / 宿主応答性 |
Research Abstract |
炎症性サイトカイン遺伝子型は、歯周疾患の発症と進行に関わるリスク因子とされる。しかし、先行する研究は白人について行われたもので、必ずしも日本人にあてはまるものではない可能性もある。日本人は、mitochondria DNAのタイピングによって4つの大きなグループに分けられるとされており、これらの亜人種内での炎症性サイトカイン遺伝子型の偏りを調べ、歯周疾患に関わるリスク因子として位置づけを行うことが本研究の趣旨である。 本年度は、昨年度の研究成果を踏まえ、Tumor Necrosis Factorの遺伝子座の近傍に位置し、連鎖不平衡の示唆されるHLA-DPについて、そのハプロタイプが末梢血単核球をPorphyromonas gingivalis生菌体とともに培養を行ったときの応答性に、どのように関わるかを検討した。 HLA DPB1*0501は、被験者の60%に見られるハプロタイプであったが、その発現に偏よりが見られ、すべての中等度応答性および低応答性の個体に見られる一方、高応答性の個体にはまったく見られなかった。一方で、HLA DPB1*0201は、被験者の60%に見られるハプロタイプで、すべての高応答性の個体および低応答性の個体66.7%にも見られ、応答性との相関は低いと考察された。これらの結果から、P.gingivalisに対する宿主の高応答性が関わる歯周疾患のリスク因子の一つとして、HLA DPB1*0501を持たないことがクローズアップされた。
|