2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672222
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐治木 弘尚 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (50275096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 耕作 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90082982)
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Keywords | 脱塩素化 / 接触還元 / パラジウム炭素 / トリエチルアミン / PCB / 芳香族塩素化合物 / アロクロール / 無毒化 |
Research Abstract |
本申請研究は本来触媒毒であるはずのトリエチルアミン等の塩基が、芳香族塩素化合物の脱ハロゲン化反応においては、Pd/C触媒を、逆に、強力に活性化する知見を基として、これを合成化学的一般法として確立するとともに、PCBの脱ハロゲン化に基づく無毒化法に適用することを目的としている。本年度は,1)反応条件の最適化、2)合成化学的一般法としての確立、3)アロクロール1254の無毒化への適用及び4)純粋なポリ塩化ビフェニル(PCB)の脱塩素化への適用と反応性の比較について検討した。その結果,本反応はメタノール中当量のトリエチルアミン存在下、基質に対して10重量%の10%Pd/Cを用いて、常温常圧下水素添加をする条件が最適であることが判明し、この反応条件を使えば、広範な種類の芳香族塩素系化合物の脱塩素化が極めて容易に進行することを示した。また、かつて実際に市販されていたPCBであるアロクロール1254を先の最適条件下、反応したところ、わずか1時間で完全な脱塩素化が達成され、ビフェニルが定量的に得られた。また、PCBは210種にも達するハロゲン化ビフェニルの異性体混合物である。これらの混合物には置換パターンが幾通りもあることから、今回、塩素の数や置換位置等を考慮した約20種の純粋な化合物(PCB)を入手し、反応速度の差異や塩素の残留の有無を確認した。その結果、いずれも完全な脱塩素化が達成されることが確認できた。特に塩素がビフェニルの1位、1'位、6位、6'位に存在しないPCBはコプラナーPCBと称され、毒性もダイオキシンに近いとされているが、これらも極めて容易に脱塩素化を受けた。現在、得られた知見の一部を速報として投稿中である。
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