2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規不斉タンデム型炭素-炭素結合形成反応の開発と利用
Project/Area Number |
13672224
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
田中 圭 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (50093266)
|
Keywords | 不斉タンデム反応 / 一フラスコ反応 / 多重不斉誘導 / 多成分連続反応 / 不斉Michael反応 / 不斉オレフィン化 / 動的速度論分割 |
Research Abstract |
有用な物質の効率的、かつ選択的構築は立体化学を含めてその炭素骨格をいかに制御して造るかが大きな課題である。本研究はこのテーマに取り組み、炭素-炭素結合形成反応を伴う多成分複合系の連続反応の構築、すなわち不斉タンデム型反応系の新たな開発を目的として行なった.有効な有機キラル分子の構築法の開発を目的として、初年度の研究結果を踏まえて二年目の平成14年度は下記の具体的な成果と有用な知見を得た。 前年度に引き続き、炭素-炭素結合形成反応としてよく知られたWittig型反応とMichael反応の組み合わせによる独自で新規なタンデム型の反応系を設計構築した。不斉誘起子として2種のビナフチル系誘導体の機能を検討し、タンデム反応系に適用可能な基質合成を行なった。初年度で最初の炭素-炭素結合形成における高い不斉誘導が観察されたので、二重不斉誘導を目的として、in situで生成する炭素陰イオンと非対称化による不斉祐希が可能なカルボニル基質との連続反応による一フラスコ内のタンデム反応へと展開し、前例の無い不斉Michael-HWE(Homer-Wasdworth-Emmons)反応を検討した。その結果、タンデム型の二重不斉誘起が観測されたのみならず、動的速度論分割に成功した。生成物の絶対構造についても化学変換とX-線構造解析を用いて現在決定されつつある。絶対構造決定後には反応の一般化渡反応機構の解明を今後行なう予定である。また、本研究の一環として、他の型の不斉オレフィン化についても検討し、いずれの場合にも高い収率とジアステレオ(エナンチオ)選択性が認められ、分子内反応への展開ではキラル合成素子として有用な縮合環化合物の不斉合成を行なった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 田中 圭 他: "Intramolecular asymmetric olefination of binaphthyl phosphonate derivatives of 1,3-diketones"Tetrahedron : Asymmetry. 13(2). 721-727 (2002)
-
[Publications] 田中 圭 他: "Asymmetric construction of novel bicyclo[4.4.0] and [4.3.0]ring systems via intramolecular Horner-Wadsworth-Emmons reactions"Tetrahedron : Asymmetry. 13(2). 729-734 (2002)
-
[Publications] 田中 圭 他: "Use of meso-ternaphthalene derivatives : linear recognition of a, w-diamines by homoditopic receptors"Tetrahedron. 58(28). 5611-5617 (2002)
-
[Publications] 田中 圭 他: "Modern carbonyl Olefination ; Chapt.7 Asymmetric Carbonyl Olefination"Wiley-VCH(in press). (2003)