2001 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応に適合する新規配位子系の開発と応用
Project/Area Number |
13672225
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
森本 俊明 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (60046307)
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Keywords | 不斉配位子 / 不斉触媒 / ホスフィン配位子 / 銅触媒 / 共役付加 / ジエチル亜鉛 / エノン / エナンチオ選択性 |
Research Abstract |
L-バリンから得られるβ-アミノアルコールを原料とするキラル素子、2-アミノアルキルホスフィンを合成し、これとピリジン-および6-メチルピリジン-2-カルボン酸やキノリン-2-カルボン酸と縮合あるいはピリジン-および6-メチルピリジン-2-アルデヒドとの縮合で含窒素ヘテロ環をもつP, N, N型三座型配位子の合成を行った。また、ホスフィノ基の代わりにスルフィド基をもつ配位子も合成した。さらに、光学活性β-アミノアルコールから各種のN-ズルホニルをもつP, N型ホスフィン配位子の合成も行った。これら配位子の評価に用いる反応系としては、銅触媒を用いるジエチル亜鉛の不斉共役付加反応を選び、基質としてはまず環状エノンである2-シクロヘキセノンを用いて反応条件等も含めて検討した。その結果、ピリジンやキノリンのアミド型配位子では50〜60%ee程度の選択性が得られた。これらの配位子のアミド基をイミノ基としたP, N, N三座型のホスフィン-イミン型配位子では、トルエン溶媒中0℃で1mol%のCu(OTf)_2の存在下、最高95%eeの高い選択性を得ることができた。スルホンアミド型配位子ではP-トルエンスルホニル基をもつ配位子で60%ee程度の選択性が得られた。これらのホスフィノ基をもつ配位子と比較しスルフィド基をもつ配位子では非常に低い選択性しか得られなかった。一方、このジエチル亜鉛-銅触媒系では比較的高いエナンチオ選択性が出しにくい基質である鎖状エノンに関しては、カルコンについて検討した。その結果、環状エノンと比べ選択性は一般に悪かったが、ホスフィン-イミン型P, N, N配位子で最高71%eeの比較的良い選択性を得ることができた。
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