2002 Fiscal Year Annual Research Report
アゾメチンイリドと不活性または電子過剰性オレフィンとの1,3-双極子付加環化反応
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13672239
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Research Institution | MEIJI PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石井 啓太郎 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (70167245)
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Keywords | アジリジン / ピロリジン / 光反応 / 電子欠乏性オレフィン / 電子過剰性オレフィン / 付加環化反応 / ビラジカル性 / ジオキサゾリジン |
Research Abstract |
前年度はアジリジン環のN上に電子吸引性基または2位の側鎖にジニトリル,ジェステルを導入し,各種オレフィンとの反応を報告した。今年度は,アジリジン環の3位の置換基による影響について検討した。 1.メチル基を有するアジリジニルアクリロニトリル1の反応 アジリジン環の3位にメチル基を導入した化合物1を合成し、オレフィンとの熱及び光反応を検討した。その結果、アクリル酸t-ブチルとの熱及び光反応では,アジリジン環の2,3位がcisの1はピロリジンの3位にt-ブトキシカルボニル基をもつ環化付加体を45-46%の収率で与えた。一方、transの1の光反応では付加体を43%の収率で与えたが,熱反応では複雑な混合物となった。出発物質がcisおよびtransの1に関係なくどの反応でも,得られたピロリジンの2,5位はcisとtransの混合物であった。このことからアジリジン環の開裂,および付加環化が協奏的に進行していないことが明らかになった。 2.フェニル基を有するアジリジニルアクリレート2およびブタジエン3の反応 メチル基よりも電子吸引性のあるフェニル基を導入したtransの2,3を合成し、アクリル酸t-ブチルとの熱及び光反応を検討した。2の光反応では,得られたピロリジンの2,5位はtransであり(28%),熱反応ではcisのみ(37%)であった。また3の反応でも同様な結果になった(光:53%,熱:73%)。特に2,3の熱反応では,逆の配向をもつ付加体もわずかに得られた。更に電子吸引性を強めたp-シアノフェニル基をもつアジリジニルアクリロニトリルと電子過剰性オレフィンとの反応も行った。 また,1,2を酸素雰囲気下光照射すると,ジオキサゾリジン体およびそれを経由したと思われる生成物が得られ,この一連の反応がビラジカル性の強い中間体を経由して進行していると考えられる。
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