2001 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性アリールボロン酸を標識試薬に用いるアリールハライドの新規高感度定量法の開発
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13672256
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
黒田 直敬 長崎大学, 薬学部, 教授 (50234612)
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Keywords | 蛍光標識試薬 / 高速液体クロマトグラフィー / アリールボロン酸 / アリールハライド / 蛍光検出 |
Research Abstract |
蛍光性アリールボロン酸を標識試薬に用いるアリールハラィド新規高感度定量法に関する検討を行い、以下の結果を得た。 1.試料にブロモベンゼン類(ブロモベンゼン、P-ブロモトルエン、p-ブロモアニソール)を用いて、蛍光性アリールボロン酸、4-(4,5-ジフェニル-1H-イミダゾ1-2-イル)フェニルボロン酸(DPA)、との反応条件の最適化を行った結果、反応溶媒にジオキサンを用い、100℃、45分間加熱することで最良の反応収率が得られた。なお、最適条件を与える各種試薬濃度は以下の通りであった。DPA、4mM;酢酸パラジウム、0.3mM;2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、0.15mM;フッ化カリウム、0.01mM。 2.別途、ブロモベンゼン、p-ブロモトルエン、及びp-ブロモアニソールに対応する蛍光標識体を合成し、それらの検出下限をHPLCで調べたところ、10.0〜1.0fmol/注入量と極めて高感度に検出できることが明かとなった。また、標品の蛍光スペクトルをDPAと比較したところ、蛍光強度はDPAに比べ、標品において約1.3〜2.3倍強い蛍光が観測された。一方、確立した最適誘導体化反応条件を用いて得られるブロモベンゼン類の反応収率は、20〜45%の範囲であった。 3.ブロモトルエン及びブロモアニソールを用いて、それぞれの置換基の位置が本反応収率に与える影響をHPLCで調べたところ、いずれもp-置換体が最も良い反応収率を与え、次いでm-、o-慣換体0)順となることが明かとなった。 4.上記3種のブロモベンゼン類に対応するヨードベンゼン類及びクロロベンゼン類とDPAとの反応性を調べた結果、いずれの化合物においてもその反応性はヨード>ブロモ>クロロ体の順となることが判明した。 以上の検討により、DPAによる蛍光誘導体化法がアリールハライド型医薬品等の高感度HPLC-蛍光定量に適用可能であることが示唆された。今後、実際の医薬品等を対象に用いて、本誘導体化反応の適用限界や生体試料分析における選択性などを詳細に調べていく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Naotaka Kuroda, et al.: "Application of an enhanced luminol chemiluminescence reaction using 4-[4, 5-di(2-pyridyl)-1H-imidazol-2-yl]phenylboronic acid to photographic...."Luminescence. 16. 167-172 (2001)
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[Publications] Yen Sun, et al.: "Simultaneous determination of phenolic xenoestrogens by solid-phase extraction and high-performance liquid chromatography with fluorescence.."Analytical Sciences. 17. 697-702 (2001)
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[Publications] Naotaka Kuroda, et al.: "Separation pf sympathomimetic amines of abuse and related compounds by micellar electrokinetic chromatography"Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 49. 905-908 (2001)
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[Publications] Osama Y.Al-Dirbashi, et al.: "Drugs of abuse in a non-conventional sample ; detection of methamphetamine and its main metabolite, amphetamine in abusers' clothes by HPLC......."Biomedical Chromatography. 15. 457-463 (2001)
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[Publications] Naotaka Kuroda, et al.: "Chemiluminescence Detection in Liquid Chromatography in "Chemiluminescence in Analytical Chemistry" ed. By W.R.G. Baeyens, et al."Marcel Dekker, Inc.. 34 (2001)