2001 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存性L型カルシウムチャネルのゲーティング制御および修飾の分子機構
Project/Area Number |
13672274
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤羽 悟美 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00184185)
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Keywords | カルシウムチャネル / Ca^<2+>チャネル / カルシウム / ゲーティング |
Research Abstract |
我々は先にL型Ca^<2+>チャネルα_<1C>サブユニットのCa^<2+>透過ポアを形成するIIIS5-S6Pループ領域のSer^<1115>の水酸基がジヒドロピリジン(DHP)系および非DHP系Ca^<2+>チャネルアゴニストのCa^<2+>チャネル開口時間延長作用に重要であることを報告した。そこでIIIS5-S6Pループ領域のalanine変異スキャンニングを行い、新たにPhe^<1112>も関与することを見出した。Phe^<1112>・Ser^<1115>のダブル変異(F1112A・S1115A)を導入したCa^<2+>チャネルではCa^<2+>チャネルアゴニストの作用が完全に消失し、むしろ濃度依存的な弱いCa^<2+>チャネル遮断作用が見られた。以上の結果に基づきCa^<2+>チャネルへ結合したCa^<2+>チャネルアゴニストはポア領域との相互作用を介してCa^<2+>チャネルを開口状態に安定化するという新たなモデルを提唱した(投稿準備中)。 我々はL型Ca^<2+>チャネルα_<1C>サブユニットの細胞内カルボキシル末端のproline-rich domain(PRD)の機能的役割を明らかにするために、PRDの下流領域を欠損させた変異Ca^<2+>チャネルおよびPRDを含む下流領域を欠損させた変異Ca^<2+>チャネル、さらに欠損部分に対応するペプチドを作製し解析した。その結果、PRDがCa^<2+>チャネルの不活性化速度に関与し、PRD以降の領域がCa^<2+>依存的にPRDの機能を制御することを新たに見出した(投稿準備中)。 L型Ca^<2+>チャネルのゲーティング制御機構におけるβサブユニットの役割を明らかにするために、成熟ラット心室筋細胞に野生型あるいは改変型βサブユニットをアデノウイルスベクターにより強制発現させ解析した。α_<1C>サブユニットとβサブユニットの相互作用によりCa^<2+>チャネルの電流密度が増大し、βサブユニットのアミノ末端領域が両サブユニットの相互作用の効率を決定していることを新たに見出した。さらに、α_<1C>サブユニットのSer^<1901>がPKA燐酸化されることによりα_<1C>サブユニットとβサブユニットの相互作用の効率が上昇しCa^<2+>チャネルの電流密度が増大するという仮説を提唱した(投稿準備中)。
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