2001 Fiscal Year Annual Research Report
個体発生と成長におけるジヒドロジオール脱水素酵素の機能
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13672291
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
出屋敷 喜宏 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00202193)
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Keywords | ジヒドロジオール脱水素酵素 / ヒドロキシステロイド脱水素酵素 / 遺伝子クローニング / マウス |
Research Abstract |
cDNAクローニングにより見出したマウスのジヒドロジオール脱水素酵素に関して、mRNAレベルおよぴタンパク質レベルの定量的測定、染色体遺伝子の単離およびレコンビナント酵素(成熟型)の大腸菌における発現とその触媒特性について検討した。mRNAの定量的測定に関しては、まず他の構造類似遺伝子と識別可能なRT-PCR条件を確立し、SSCP解析により目的遺伝子の選択的増幅を確認した。本条件により組織分布を検討したところ、組織間で発現量に差はあるものの、肝・小腸・胃をはじめ諸組織で本酵素mRNAを検出した。本酵素cDNAを含むプラスミドを標準テンプレートとする定量的PCRに関しては、反応系当り0.4〜100fgの範囲でテンプレート量の推定が可能となり、RT反応液を用いた系を検討中である。タンパク質レベルでの定量的測定に関しては、ポリクローナル抗体の作製を行い、本抗体を用いてサンドイッチ法によるEIA系を確立した。本測定系では、レコンビナント酵素を標準抗原に用いて100pg/mL〜10ng/mLの抗原濃度に対応する測定が可能となった。染色体遺伝子の単離に関しては、マウス遺伝子ライブラリー(50万クローン)のハイブリダイゼーション法によるスクリーニングを行い、24個の候補遺伝子を単離した。サザンブロッティングおよびPCRによる目的遺伝子の確認後、配列解析する。レコンビナント酵素(成熟型)に関しては、大腸菌を用いた発現系と精製法を確立した。触媒特性の検討により、本酵素はベンゼンジヒドロジオールに対する酸化反応、芳香族アルデヒドやジケトン類に対する還元反応および数種のヒドロキシステロイドに対する酸化還元反応を触媒し、補酵素としてNADP(H)よりNAD(H)を利用することを明らかにし、本酵素がステロイド代謝に関与することを示唆した。
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