2002 Fiscal Year Annual Research Report
個体発生と成長におけるジヒドロジオール脱水素酵素の機能
Project/Area Number |
13672291
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
出屋敷 喜宏 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00202193)
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Keywords | ジヒドロジオール脱水素酵素 / ヒドロキシステロイド脱水素酵素 / 遺伝子クローニング / マウス |
Research Abstract |
cDNAスクリーニングによりヒト由来ジヒドロジオール脱水素酵素(DDH)のホモローグとして単離したマウス由来DDHについて、本酵素がアルド-ケト還元酵素(AKR)スーパーファミリーに属することが認められたことに基づいて、生体内因性および外因性化合物のレコンビナント酵素に対する基質あるいは阻害剤としての可能性を検討した。また、成熟個体における組織特異的発現を遺伝子(mRNA)およびタンパク質(抗原)レベルで検討した。前者の検討から、本レコンビナントDDHは、酸化反応ではDDHの典型的基質であるtrans-dihydrodiol、S-indanolなどに、還元反応ではAKRスーパーファミリーの典型的基質であるケトン類、アルデヒド類、ケトアルデヒド類およびキノン類の他に生理的基質のdiacetyl、isatin、acetoin、5β-pregnan-20-ol-3-oneなどに活性を示すことを明らかにした。また、本レコンビナントDDHは、AKRスーパーファミリーに属するヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)の阻害剤であるエタクリン酸やヘキセステロールの他、胆汁酸では特に二次胆汁酸のリトコール酸に高い阻害剤感受性を示すことを見出した。後者のマウス由来DDH組織特異的発現の解析においては、本DDHmRNA特異的なRT-PCR法により本遺伝子が成熟個体の肝、胃および小腸においてその他の臓器に比べて高発現しており、この発現は既に2週齢時には生じており、13週齢時でも観察されることを認めた。遺伝子発現検討試料と同一試料由来のタンパク質粗抽出液についてのエンザイムイムノアッセイの結果においても、総タンパク質量に対するDDH抗原量の比は、肝、胃および小腸において高いこと、またこの比は2週齢から5週齢にかけて増加することを認め、本DDHの生後2週以降の組織特異的発現を明らかにした。
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