2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca^<2+>制御蛋白質レギュカルチン遺伝子導入動物における生体機能調節の解析
Project/Area Number |
13672292
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 正義 静岡県立大学, 大学院・生活健康科学研究科, 教授 (70046308)
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Keywords | レギュカルチン / トランスジェニックラット / 遺伝子発現 / 生体調節 / カルシウム |
Research Abstract |
本研究は、レギュカルチン(regucalcin)遺伝子導入ラットを用いて、これまでに得られた本蛋白質の細胞機能調節に関する知見をもとに、さらに、生体調節系での新しい生理作用を解明することを目的にしている。本年度は、生体の内分泌調節におけるレギュカルチンの役割を解析した。 1.レギュカルチン遺伝子導入ラットの出生後の成長(体重)が有意に抑制されることが明らかになった。この成長抑制は雄ラットよりも雌ラットで著しかった。 2.レギュカルチン遺伝子導入ラットの各臓器における本蛋白質の発現をウェスタンブロット法で調べると、雌ラットではすべての臓器(肝、腎、心、ひ臓、胃、小腸、大腸、肺、大脳)で著しく発現増大していたが、雄ラットでは肝、腎、肺、心、胃において発現増加しており、性差が認められた。 3.ホルモン調節をうける生体恒常性維持機構の変容性を知るために、血糖値、血清無機成分の変動を調べた。遺伝子導入ラットでは、血糖値は低下傾向にあり、血清カルシウムは変動しなかったが、無機リン濃度が有意に減少していることを明らかにした。血糖調節ホルモンやカルシウム代謝調節ホルモンの変容が示唆された。 4.レギュカルチン遺伝子導入ラットでは、心臓シクロゾームのCa^<2+>-ATPase(Ca^<2+>ボンゴ)活性が著しく増加していることが見出された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Misawa H, Inagaki S, Yamaguchi M: "Suppression of cell proliferation and deoxyribonucleic acid synthesis in cloned rat hepatoma H4IIE cells overexpressing"regucalcin. Journal of Cellular Biochemistry. 84. 143-149 (2002)