2002 Fiscal Year Annual Research Report
非酵素的糖化阻害作用および抗酸化作用をもつ糖尿病合併症治療薬の開発に関する研究
Project/Area Number |
13672312
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
三輪 一智 名城大学, 薬学部, 教授 (60076734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 忠緒 名城大学, 薬学部, 講師 (50121504)
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Keywords | 糖尿病合併症 / 非酵素的糖化 / アミノグアニジン / 抗酸化作用 / 糖尿病合併症治療薬 |
Research Abstract |
糖尿病合併症治療薬の開発を目指して私共が合成した化合物であるPL-AG(ピリドキサールとアミノグアニジンのSchiff塩基)は,非酵素的糖化阻害作用と抗酸化作用を併せ持つことがわかっている.これまでのところ最も有力な糖尿病合併症治療薬候補の1っと目されているアミノグアニジン(AG)を対照化合物として,PL-AGの腎症抑制効果をストレプトゾトシン糖尿病マウスを用いて調べた.各薬物は1日当り27μmolとなるように飲水中に溶かして,9週間にわたって投与した. 以下に9週間投与後の各種測定値を非投与群,AG投与群,PL-AG投与群の順に示す.血清クレアチニン(mg/ml):0.87±0.09,0.86±0.15,0.81±0.24.尿量(ml/day):29.0±4.0,31.7±5.7,23.4±3.0^*,尿中アルブミン排泄量(μg/day):330±120,330±180,80±50^*.腎糸球体容積(μm^3x10^5):5.0±0.8,4.2±0.7^*,3.1±0.6^*.メサンギウム容積率(%):22±3,18±3^*,16±2^*.糸球体基底膜の厚さ(nm):290±30,220±15^*,200±20^*.^*印は非投与群に比べて有意に改善されていることを示す. 以上のように,血清クレアチニン値にはAG,PL-AGとも影響を与えず,尿量および尿中アルブミン排泄量はAGで改善されなかったが,その他の値は両化合物により改善され,それらのいずれの場合もAGよりPL-AGの方がより有効であることがわかった.これらの結果はPL-AGを合併症治療薬候補化合物として今後とも更に詳しく研究する意義のあることを示している.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Miyoshi, T.Taguchi, I.Miwa, T.Koike その他: "Aminoguanidine Pyridoxal Adduct is Superior to Aminoguanidine for Preventing Diabetic Nephropathy in Mice"Hormone & Metabolic Research. 34. 371-377 (2002)