2003 Fiscal Year Annual Research Report
非酵素的糖化阻害作用および抗酸化作用をもつ糖尿病合併症治療薬の開発に関する研究
Project/Area Number |
13672312
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
三輪 一智 名城大学, 薬学部, 教授 (60076734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 忠緒 名城大学, 薬学部, 講師 (50121504)
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Keywords | 糖尿病合併症 / 非酵素的糖化 / アミノグアニジン / 抗酸化作用 / 糖尿病合併症治療薬 |
Research Abstract |
糖尿病合併症治療薬の開発を目指して私共が合成した化合物であるPL-AG(ピリドキサールとアミノグアニジンのSchiff塩基)は,非酵素的糖化阻害作用と抗酸化作用を併せ持つことがわかっている。これまでのところ最も有力な糖尿病合併症治療薬候補の一つと目されているアミノグアニジン(AG)を対照化合物として,PL-AGの糖尿病性神経障害(神経伝導速度を指標とした)と糖尿病性白内障に対する抑制作用,およびin vivoにおける抗酸化作用について調べた。 1.ストレプトゾトシン糖尿病ラットにPL-AGあるいはAGを7週間にわたって飲水投与(9mM)したところ,正常群,糖尿病群,AG投与群,PL-AG投与群の坐骨神経伝導速度(m/sec, n=6)はそれぞれ51±2,40±2,42±3,44±2となり,AG投与では糖尿病で低下した伝導速度が改善されなかったのに対し,PL-AG投与では有意に改善された。また,7週目には糖尿病ラットで38%の眼が完全な白内障となったのに対して,PL-AG投与では10%のみが,またAG投与では36%が白内障となり,やはりAGに比べてPL-AGは強い抑制効果を示した。 2.上記糖尿病ラットの7週後の尿中8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(生体内酸化の指標の一つ)排泄量(ng/day, n=6)は,正常群,糖尿病群,AG投与群,PL-AG投与群でそれぞれ440±110,870±120,870±160,720±130となり,PL-AG投与で排泄量の有意な改善が見られた。また,肝臓中のマロンジアルデヒド+4-ヒドロキシアルケナール総量(生体内酸化の別の指標)もPL-AG投与で糖尿病群に比べ有意な低下が見られた。 以上の結果から,PL-AGはin vivoにおいてAGより強い抗酸化作用を示すとともに,糖尿病合併症のうちの末梢神経障害および白内障に対してAGよりも強い抑制作用を示すことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.-S.Chen, T.Taguchi, S.Aoyama, M.Haruma, M.-W Wang, I.Miwa: "Antioxidant activity of a Schiff base of pyridoxal and aminoguanidine"Free Radical Biology & Medicine. 35. 1392-1403 (2003)
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[Publications] A.-S.Chen, T.Taguchi, M.Sugiura, Y.Wakasugi, A.Kamei, M.-W.Wang, I.Miwa: "Pyridoxal-aminoguanidine adduct is more effective than aminoguanidine in preventing neuropathy and cataract in diabetic rats"Hormone & Metabolic Research. 36(印刷中). (2004)