2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672326
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
武田 厚司 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (90145714)
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Keywords | 亜鉛 / 神経伝達調節因子 / グルタミン酸 / 低亜鉛食 / てんかん / 海馬 / 扁桃体 |
Research Abstract |
亜鉛はグルタミン酸作動性ニューロンのシナプス小胞に存在し、シナプスでのグルタミン酸による伝達効率を調節する神経伝達調節因子として働くことが示唆されている。しかしながら、シナプス亜鉛の生理作用に関しては十分には明らかにされていない。そこで本研究では、グルタミン酸放出に対する亜鉛の作用をインビボマイクロダイアリシス法で調べた。 亜鉛は介在ニューロンからのGABA放出をAMPA/KA受容体の活性化を介して促進すること、またシナプス前ニューロン(苔状線維とSchaffer側枝)からのグルタミン酸放出を抑制することを示唆した。グルタミン酸放出に対する亜鉛のこの抑制的な作用とシナプス後ニューロンにあるNMDA受容体に対する亜鉛の抑制作用により、シナプス後ニューロンからのグルタミン酸放出が抑制される可能性がある。そこで、グルタミン酸作動性のCA1錐体細胞の投射先が嗅内野であることを利用してシナプス後ニューロンに対する亜鉛の作用を調べた。その結果、亜鉛がシナプス後ニューロンからのグルタミン酸放出をも抑制することが示唆された。 一方、低亜鉛食飼育したラット海馬では、刺激に伴い細胞外グルタミン酸濃度が異常に増加した一方、GABA濃度の増加は欠損していた。この点に着目し、亜鉛不足によりてんかん発作感受性が増大する可能性を調べた。その結果、低亜鉛食飼育したマウス、ラットではカイニン酸誘発性の痙攣発作感受性が増大することが明らかとなった。さらに、低亜鉛食群の海馬細胞外液グルタミン酸濃度はカイニン酸投与後速やかに増加したが、通常食群ではその増加はわずかであった。一方、GABA濃度は通常食群では増加したが、低亜鉛食群ではまったく増加しなかった。以上より、GABA濃度増加の欠損と関連したグルタミン酸濃度の増加が亜鉛摂取不足に伴う発作感受性増大の一因であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Atsushi Takeda, Akira Minami, Yumiko Seki, Naoto Oku: "Differential Effects of Zinc on Glutamatergic and GABAergic Neurotransmitter Systems in the Hippocampus"Journal of Neuroscience Research. 75. 225-229 (2004)
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[Publications] Atsushi Takeda, Maki Hirate, Naoto Oku: "Elimination of zinc-65 from the brain under kainate-induced seizures"BioMetals. 17. 141-144 (2004)
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[Publications] Atsushi Takeda, Akira Minami, Yumiko Seki, Naoto Oku: "Inhibitory function of zinc against excitation of hippocampal glutamatergic neurons"Epilepsy Research. 57. 169-174 (2003)
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[Publications] Atsushi Takeda, Maki Hirate, Haruna Tamano, Naoto Oku: "Zinc movement in the brain under kainite-induced seizures"Epilepsy Research. 54. 123-129 (2003)
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[Publications] Atsushi Takeda, Maki Hirate, Haruna Tamano: "Susceptibility to kainate-induced seizures under dietary zinc deficiency"Journal of Neurochemistry. 85. 1575-1580 (2003)
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[Publications] Atsushi Takeda, Haruna Tamano, Naoto Oku: "Alteration of zinc concentrations in the brain implanted with C6 glioma"Brain Research. 965. 170-173 (2003)
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[Publications] Atsushi Takeda: "Inhibitory functions of zinc against excitation of hippocampal glutamatergic neurons. "BITREL 2002""RIKEN(Saitama, Japan). 3 (2003)