2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体計測ESRを用いた脳における酸化的ストレス可視化システムの確立
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13672336
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
安西 和紀 放射線医学総合研究所, レドックス制御研究グループ, チームリーダー (70128643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 啓蔵 放射線医学総合研究所, レドックス制御研究グループ, 主任研究員 (70175438)
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Keywords | スピンプローブ / 重水素化 / ヒドロキシルアミン体 / ESR / 生体計測ESR |
Research Abstract |
感度および解像度の向上を目的として、重水素標識スピンプローブの合成を行った。重水素化アセトンとアンモニアを出発原料としてニトロキシル基の隣のメチル基が重水素化されたcarbamoyl-PROXYLおよびmethoxycarbonyl-PROXYL(MC-PROXYL)を得た。重水素化することにより通常のXバンドESRの測定条件において、carbamoyl-PROXYLでは線幅が0.12mTから0.08mTまで減少した。従って、シグナル強度も約1.5倍大きくなった。しかし、生体計測においては大きなモジュレーション幅を用いているため、イメージングにおいて使用しているモジュレーション(0.1mT)では1.35倍、L-バンド測定においては1.14倍にしかシグナル強度が増大しないことがわかった。すなわち、イメージングにおける感度向上は期待していたほど大きくはないことがわかった。感度をあげる別なアプローチとして^<15>Nを用いたプローブの合成を検討中である。 生体内で発生したラジカルを捉えるために、脳に移行して酸化的ストレスでラジカルの変換されるヒドロキシルアミン型スピンローブの合成を行った。carbamoyl-PROXYLのヒドロキシルアミン体のアセチル体(ACP)を収率14%で合成することができた。マウスにACPを投与して肝臓のL-バンドESRを測定したところシグナル強度が経時的に増大し、iv投与では投与後3-4分で、またi.p.投与では投与後約10分でプラトーに達した。ACPの体内動態をHPLCを用いて調べるための条件を検討して決定した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 庄司洋史: "In Vivo Electron Spin Resonance(ESR)-CT Imaging-Nitroxide Radical Spin Probe分布領域の三次元画像化-"磁気共鳴と医学. 12. 157-160 (2001)
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[Publications] Kazunori Anzai: "Quantitative comparison of two types of planar lipid bilayers folded and painted-with respect to fusion with vesicles"J. Biochem. Biophys. Methods. 48. 283-291 (2001)