2001 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル画像解析法を用いた手洗い効果判定用システムの院内感染対策教育への導入
Project/Area Number |
13672356
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上寺 祐之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80191914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 英昭 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30134555)
|
Keywords | 手洗い / 画像解析 / 院内感染 |
Research Abstract |
1、はじめに:院内感染や周術期感染を予防するためには、手洗い方法の教育が重要である。通常、手洗いの効果の判定には細菌培養法を用いるので、判定結果は24-48時間後に判明する。そのため、現状においては、効果的な手洗い方法を教育することは困難である。そこで、手洗いの効果判定をリアルタイムで判定できるる方法を開発するために基礎的な研究を行った。 2、対象および方法:手洗いの効果を、手掌面に塗布した蛍光色素の除去率を用いて評価した。撮影は暗室内で行い、手掌面とカメラの位置は常に同じ条件とした。照明には、紫外線域の照明光を発するストロボを使用し、可視光線の中間域のみを透過するフイルターをデジタルカメラに付けて撮影した。手掌面の撮影は、蛍光色素の塗布前、塗布後、ポピドンヨード製剤を用いて手洗いを行った後に行った。撮影したデジタル画像を画像加工用ソフト(Phtoshop)を用いて8ビットのgrey modeに変換し、画像解析用ソフト(Mac SCOPE)を用いて各pixelの蛍光色素による輝度の合計値を求めた。手洗いによる蛍光色素の除去率は、[1-(手洗い後の輝度の合計値-塗布前の輝度の合計値)/(塗布後の輝度の合計値-塗布前の輝度の合計値)]X100%とした。 3、結果:撮影したデジタル画像は、全て2000×1324pixel(総画素数:2644992画素)であった。蛍光色素塗布前、塗布後、手洗い後の手掌面の輝度の合計値は、それぞれ、6203921、36801236、2644992であり、手洗いによる蛍光色素の除去率は86%であった。 4、まとめ:今回の検討により、蛍光色素とデジタル画像処理法を用いて手洗いの効果をリアルタイムで評価できることが示唆された。したがって、本法は手洗い方法の教育に役立つと考えられる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yushi Uetera: "Evaluation of thermal disinfection procedure in washer disinfectors using a wireless themologger"Zentralsterilisation. 9(2). 88-99 (2001)
-
[Publications] 上寺祐之: "手術部位感染とは"オペナーシング. 16(2). 40-45 (2001)
-
[Publications] 上寺祐之: "手術部での洗浄"オペナーシング. 16(9). 88-94 (2001)
-
[Publications] 上寺祐之: "手術部における医科器械学"医科器械学. 77(11). 603-607 (2001)
-
[Publications] 上寺祐之: "高圧蒸気滅菌法におけるBowie-Dickテストの意義"日本手術医学会誌. 22(4). 96-98 (2001)
-
[Publications] 上寺祐之: "ワイヤレス式温度ロガーを用いたWasher Disinfection経時間検討"医科器械学. (in press).