2002 Fiscal Year Annual Research Report
医療面接における患者に説明されるべき診療上の意志決定
Project/Area Number |
13672359
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福本 陽平 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (90136193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 一彰 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (70335743)
村上 不二夫 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (10253155)
立石 彰男 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (00155102)
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Keywords | 医療面接 / 患者-医師関係 / 全人的医療 |
Research Abstract |
医療面接は患者-医師関係における信頼関係の構築や、倫理問題の対処に重要な役割を持っている。患者・医師間のコミュニケーションから生まれる患者の医療に対する満足度や、診療上の意思決定に患者が積極的に参加できているかについて、直接患者さんと接し、あるいは直接的に医療面接を観察する方法で解析を行った。すなわち、山口大学附属病院総合診療部を受診した65名の初診患者を対象に、インタビューによるアンケート調査を行い、更に了解が得られた患者について、3名の医師が行った医療面接の状況を全て録音・録画して検討を行なった。 患者さんへのインタビューの結果、病院の機構や受入れ体制については、不便が66%、医師への主症状の伝達は、伝えられたが84%、診断や検査結果の説明については、解りやすかったが96%、診断の結果の理解度や納得では、了解できたが84%などであった。3名の医師の診察時間の平均は14〜25分で、患者と医師の総発語数の平均はそれぞれ909〜1348語ならびに2586〜3088語、また、医師の開放型、閉鎖型、中立型質問数の平均は、1〜4回、16〜29回、3〜12回であった。医師の発語数は患者の約3倍であり、開放型は閉鎖型に対して約6〜12倍多用され、中立型は閉鎖型に対して約3〜4倍使われていた。診療上の意思決定については、身体診察の了解、臨床検査や治療についての説明と同意、次回の受診予約の了解が主要な内容であり、診察への了解や予約は医師主導傾向であった。検査や治療などの説明はほとんど行われており、患者さんもその内容にほぼ了解していることから、この度の3名の医師の態度は妥当なものであると判定された。以上のような検討方法により、医療現場の患者-医師関係を客観的に評価され得ることが明らかとなり、今後更に広汎な研究を進めて行く予定である。
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