2001 Fiscal Year Annual Research Report
p53点突然変異に伴うプロモーター指向性の変化に関する研究
Project/Area Number |
13672373
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 俊介 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40312657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60241577)
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Keywords | p53 / 出芽酵母 / 転写機能 / プロモーター |
Research Abstract |
1、-塩基置換に起因する-アミノ酸置換を伴う2000個以上からなるp53変異体発現プラスミドを出芽酵母に導入したライブラリー(p53変異体ライブラリー)を準備した。 2、WAF1、MDM2、BAX、14-3-3σ、AlP1、GADD45、Noxa、P53R2の8種類のp53標的遺伝子について、それぞれのp53応答配列(ゲノムDNA由来または合成オリゴ)をプロモーター領域に持つレポーター(Ds Red)プラスミドを作成し、p53変異体ライブラリーを導入した出芽酵母(a)とは対立した接合型の出芽酵母(α)に導入し、レポーターライブラリーを作成した。 3、上記のp53変異体ライブラリー酵母とレポーターライブラリ酵母を接合させることで2種類のプラスミドを二倍体細胞に導入し、Ds Redが発する蛍光強度を定量することでp53の転写機能を数値化し、それぞれ2回以上定量を行なってそのデータを収集した。得られたデータについて現在クラスター解析などを行なっている最中である。 4、今まで臨床腫瘍検体で報告されてきた複数の変異型p53のうち、報告頻度が高いものは調べた全てのプロモーターに対する転写活性も喪失しているものが多かった。しかし、報告されている変異型p53であっても、必ずしも全てのプロモーターに対する転写活性を喪失しているわけではないものも認められ、これらの検体の変異型p53の発癌過程における位置づけについて再考する必要性があるものと思われる。また、これまでに報告されていない変異型p53で、全てのプロモーターに対する転写活性を消失しているものも認め、これらの意味づけも重要である。さらに、プロモーターの指向性が異なる変異体も認められ、これらの変異体のいくつかについて、今回の酵母を用いた実験結果が哺乳動物細胞でも再現できるか検討中である。
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