2002 Fiscal Year Annual Research Report
p53点突然変異に伴うプロモーター指向性の変化に関する研究
Project/Area Number |
13672373
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 俊介 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40312657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60241577)
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Keywords | p53 / 出芽酵母 / プロモーター |
Research Abstract |
一塩基置換に起因する全ての一アミノ酸置換を伴うP53変異体(計2,314種類)について、WAF1,MDM2,BAX,14-3-3s, p53AIPI, GADD45,NOXAおよびp53R2の8種類のプロモーターに対する転写活性化能を測定した。 その結果、(1)8種類全てに対して転写活性能を有する(野生型と同等のスペクトラムを持つ)変異体、(2)全てに対して転写活性能を喪失する変異体、(3)各種プロモーターに対する転写活性能が一様ではない変異体に分類された。 世界最大のp53変異体のデータベースであるIARC(release7)と比較した結果、(1)に分類される変異体1,278種類のうち、373種類は臨床腫瘍検体に同一のミスセンス変異の報告が見られた。報告頻度は1〜17回までと決して高いものではなく、偶発的に見つかったミスセンス変異が報告されている可能性、あるいは今回調べたプロモーターではない下流遺伝子に対する転写活性能の喪失が腫瘍形成に重要な働きを持つ可能性が考えられた。一方(2)に分類される変異体400種類のうち、361種類は報告されているのに対し、その他の39種類は未報告であることが分かった。この結果は遺伝子座の変異原物質に対する感受性の差異を示している可能性が考えられた。また、(3)に分類される636種類の中から31種類についてSaOS2細胞に導入してルシフェラーゼ活性を行ったところ、出芽酵母と同等のスペクトラムは必ずしも示さなかったが、プロモーター指向性は認められ、高次構造の変化が直接あるいは間接的にプロモーター指向性を変化させることを強く示唆した。 また、出芽酵母を用いた転写機能解析において、アポトーシス誘導能力が高いS121F変異体と同様なスペクトラムを有する変異体約30種類が含まれており、遺伝子治療への応用が期待された。
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