2002 Fiscal Year Annual Research Report
精巣決定因子SRYを中心としたヒト性分化カスケードの分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
13672377
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
新家 利一 徳島大学, 医学研究科, 助教授 (10311820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中堀 豊 徳島大学, 医学研究科, 教授 (10172389)
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Keywords | SRY / NT2 / D1細胞 / Cos1細胞 / SOX9プロモーター / Claudin11プロモーター / 転写活性 / SRY過剰発現 |
Research Abstract |
<背景> Y染色体上の精巣決定因子であるSRYはクローン化されてから12年が経過しているが、未だに標的遺伝子は同定されておらず、その機能も依然不明である。今年度我々は(1)発現のパターンからSRYの標的候補と予想される遺伝子のプロモーター活性をSRY強制発現下で測定すること、(2)SRYと複合体を形成するタンパク質の同定の2つのアプローチを用いてSRY機能の解明にアプローチした。 <研究内容および考察> SOX9のプロモーター1kbpをホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流に結合したコンストラクトを作成し、NT2/D1細胞およびCos1細胞に導入した。SRY強制発現下においてコントロールに対しておのおのの細胞でそれそれ1.6倍および2.5倍程度の転写活性の増加が認められた。今回用いたSOX9プロモーターにはSRYが属するSOXファミリー遺伝子の結合配列が存在する。現在ゲルシフトアッセイ等により、SRYの結合部位を検討中である。Claudin11は細胞間接着分子の一つで性決定・性分化の時期にSertoli細胞で発現しており、SRYの下流遺伝子として有望であると考えた。Claudin11プロモーター1.5Kbpをホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流に結合したコンストラクトを作成し、NT2/D1細胞およびCos1細胞に導入した。転写活性はSRY強制発現下でNT2/D1細胞においては2.3倍に増加したが、Cos1細胞においてはコントロールと同様であった。現在Claudin11プロモーター領域の欠失コンストラクトを複数種類作成し、詳細を検討中である。 FLAG-SRYを過剰発現するNT2/D1細胞株を樹立した。この細胞よりSRYを含むタンパク複合体の単離を開始した。今後はプロテオミクス的手法によってSRYに結合するタンパク質の同定を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ewis, A.A.: "Two Y-chromosome-specific polymorphisms 12f2 and DFFRY in the Japanese population and heir relations to other Y-polymorphisms"J. Med. Invest. 49. 44-50 (2002)
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[Publications] Ewis, A.A.: "Microdeletions of a Y-specific marker, Yfm1, and implications for a role in spermatogenesis"J Hum. Genet. 47. 523-528 (2002)
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[Publications] Ewis A.A.: "Yfm1, a multi-copy marker, specific for the Y chromosome and beneficialforforensic population genetic and spermatogenesis-related studies"J Hum. Genet.. 47. 523-528 (2002)
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[Publications] Jabasini, M.: "Analysis of DNA polymorphisms on the human Y-chromosome by microchip electrophoresis"Electrophoresis. 23. 1537-1542 (2002)
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[Publications] Lettice LA: "Disruption of a long-range cis-acting regulator for Shh causes preaxialpolydactyly"Proc Natl Acad Sci USA. 99. 7548-7453 (2002)