2003 Fiscal Year Annual Research Report
精巣決定因子SRYを中心としたヒト性分化カスケードの分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
13672377
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Research Institution | The University OF Tokushima |
Principal Investigator |
新家 利一 徳島大学, 医学研究科, 助教授 (10311820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中堀 豊 徳島大学, 医学研究科, 教授 (10172389)
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Keywords | 性決定 / SRY / SOX9 / claudin11 / 精巣 / SOX / セルトリー細胞 |
Research Abstract |
ヒトY染色体上の精巣決定因子SRYは男性における性決定の最初の鍵となる遺伝子であるが、未だにその機能は明らかでない。本研究では、SRYの下流の遺伝子を探索した。研究の途中において、胎生期のマウスにおいて、セルトリー細胞におけるtight junction構成要素の一つのclaudin11がSry発現直後より、発現が認められることが他の研究者より報告された。またclaudin11のノックアウトマウスは精巣が小さいことが以前に報告されていた。さらに細胞の接着は細胞分化に重要であることから、Claudin11がSryの下流の遺伝子の一つと考えて、SRYとclaudin11プロモーター活性の関連について解析を行った。データベース検索の結果、Claudin11のプロモーター領域には3カ所のSRY/SOX結合部位が存在していた。ヒトclaudin11のプロモーター領域1.1kbをホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入したレポーターコンストラクトを作成し、SRY過剰発現ベクターとともにヒト精巣腫瘍由来のNT2/D1細胞に導入して転写活性を測定した。その結果、claudin11プロモーター活性がコントロールに比べて2.5倍増加した。次に様々な長さのclaudin11プロモーターについて同様な実験を行ったところ、翻訳開始コドンの上流239bpから389bpの領域が転写活性に最も重要であることが判明した。この領域にはSp1結合部位と推測される領域が存在していた。またSRY/SOX結合部位を含むclaudin11プロモーターコンストラクトはSRY依存性に転写活性が増加する傾向が認められた。またSRY同様、男性性決定に重要な遺伝子であるSOX9についてもclaudin11プロモーター活性に対する影響をSRYと同様に検索した。その結果、コントロールに比べてレポーター遺伝子の転写活性が1.7倍増加した。これらのことからclaudin11の制御にSRYまたはSOXファミリーが関わっていることが予想された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shinka T et al.: "Molecular Characterization of Heat Shock-like Factor Encoded on the Human Y Chromosome, and Implications for Male Infertility"Biology of Reproduction. (In press). (2004)
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[Publications] Chen G et al.: "Roles of estrogen receptor α (ERα) in the regulation of the human Mullerian inhibitory substance (MIS) promoter"Journal of Medical investigation. 50. 192-198 (2003)
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[Publications] Jin H.Jet al.: "Y-chromosomal DNA haplogroups and their implications for the dual origins of the Koreans"Human Genetics. 114. 27-35 (2003)
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[Publications] Jabasini, M et al.: "Range of separation of potential of potential tool for bioseparation, Microchip electrophoresis system, for DNA polymorphisms on the Y chromosome"Analytical Sciences. 19. 175-176 (2003)
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[Publications] 新家利一, 中堀 豊: "小児疾患のとらえかた(男も女も元は一緒)"浅井宏祐. 399 (2003)