2002 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンキナーゼ型神経成長因子受容体の遺伝子異常による先天性無痛無汗症の分子病態
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13672378
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
犬童 康弘 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40244131)
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Keywords | 先天性無痛無汗症 / 遺伝性感覚自立神経性ニューロパチーIV型 / 神経成長因子 / 神経成長因子受容体 / チロシンキナーゼ型受容体 / TRKA / NTRK1 |
Research Abstract |
平成14年度 1.TRKA遺伝子への部位特異的変異導入:正常TRKAcDNA発現プラスミドベクターを準備し、これに国外8家系・国内24家系(合計32家系)の先天性無痛無汗症患者(CIPA)において検出された11個のミスセンス変異を導入した。 2.発現プラスミドの培養細胞へのトランスフェクション:正常および変異TRKAを含むcDNAを、リポゾーム法を用いて、TRKAを発現していない神経細胞由来の細胞株にトランスフェクションした。 3.発現細胞のシグナル伝達機能の解析:トランスフェクションした細胞のNGFに対する応答をTRKAタンパクの自己リン酸化されたチロシン残基を検出することにより調べた。 4.結果:正常TRKAタンパク質前駆体は、神経細胞株において細胞内プロセッシィングを受け、NGF依存性に自己リン酸化されることが観察された。細胞外ドメインの変異体のうち2個(L93P, L213P)は、正常とは異なるプロセッシングを受け、神経細胞株でのリン酸化反応は減弱していた。チロシンキナーゼドメインの変異体5個(G516R, G571R, R643W, R648C, G708S)のプロセッシングには異常は認めないが、どの変異体でもリン酸化反応が著しく減弱していた。一方、海外のCIPA症例において、ダブル変異とトリプル変異として検出されたミスセンス変異(R85SとH598Y ; G607V)は、いずれも正常と同等の自己リン酸化反応を示し、他の研究者からの多型解析の報告とも合わせて、おそらく特定の人種(民族)にのみに特異的に検出される多型であると考えられた。また、残るD668Y変異体は非常にまれな多型か、もしくはリン酸化反応に影響を与えることなくTRKAの機能を阻害する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Indo: "Genetics of congenital insensitivity to pain with anhidrosis (CIPA) or hereditary sensory and autonomic neuropathy type IV. Clinical, biological and molecular aspects of mutations in TRKA(NTRK1) gene encoding the receptor tyrosine kinase for nerve growth factor"Clinical Autonomic Research. 12(Suppl 1). I/20-I/32 (2002)
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[Publications] E.Toscano: "No mutation in the TRKA (NTRK1) gene encoding a receptor tyrosine kinase for nerve growth factor in a patient with hereditary sensory and autonomic neuropathy type V"Annals of Neurology. 52. 224-227 (2002)
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[Publications] M.Hiura: "Case of congenital indifference to pain with anhidrosis using sympathetic skin response as a useful supportive diagnostic method in the early stage of infancy"Pediatrcs International. 44. 436-439 (2002)
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[Publications] 犬童康弘: "先天性無痛無汗症の分子遺伝学的研究(日本先天代謝異常学会奨励賞受賞論文)"日本先天代謝異常学会雑誌. 17. 38-43 (2001)
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[Publications] 犬童康弘: "先天性無痛無汗症の分子病態から見た交感神経と感覚神経の分化・生存とアポトーシス"自律神経. 39. 53-60 (2002)