2001 Fiscal Year Annual Research Report
薬効と薬物有害反応の個人差に関与する解析と合理的投与設計システムの開発
Project/Area Number |
13672393
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
中野 重行 大分医科大学, 医学部, 教授 (10033341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小手川 喜美子 大分医科大学, 医学部, 助手 (20244171)
小手川 勤 大分医科大学, 医学部, 助教授 (20264343)
中村 紘一 大分医科大学, 医学部, 助教授 (30045520)
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Keywords | digoxin / マクロライド系抗菌薬 / P糖蛋白質 / 薬物相互作用 / ワープロ法 / 日常作業効率 / lorazepam |
Research Abstract |
1.薬効と薬物有害反応の個人差に関与する要因の解析(遺伝的要遺伝的要因と併用薬物の影響) 健常成人を対象にし、強心配糖体であるdigoxinの薬物動態に及ぼすとマクロライド系抗菌薬であるerythromycinおよびclarithromycinの影響について検討した。これまで、この相互作用の機序は、マクロライド系抗菌薬が、P糖蛋白質を介したdigoxinの腎からの排泄を阻害することによると考えられていた。しかし、本研究により、マクロライド系抗菌薬はdigoxinの腎排泄を阻害しないことが明らかとなった。近年、P糖蛋白質をコードするMDR1遺伝子に多型が存在することが報告されており、今後、この点についても研究を加える予定である。 2.薬効と薬物有害反応の定量的評価法(ワープロ法)の作成 私共は、すでにパソコンを用いた数字入力法による日常作業能率の評価法(ワープロ法)を開発している。今回は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬であるlorazepam 0.5mg,1mgを服用後の数字入力作業能率の低下をplaceboと比較して評価した。眠気の自覚症状の評価に用いたvisual analogue scaleではplaceboとlorazepamとの間に有意な変化を認めなかった。一方、ワープロ法では、lorazepamのいずれの投与量においても、服用1時間後の数字入力作業はplaceboに比較して低下しており、日常作業能率の低下を感度良く検出できた。この試験により、私共の開発したワープロ法の有益性が評価された。
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Research Products
(1 results)