2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳微小血管のアクアポリンサブタイプの同定と発現調節:その病態生理学的意義
Project/Area Number |
13672394
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
小林 英幸 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (40148953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 宏毅 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (30332894)
柳田 俊彦 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (60295227)
和田 明彦 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (30131949)
上園 保仁 長崎大学, 医学部, 講師 (20213340)
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Keywords | 脳微小血管 / 水チャネル / アクアポリン / RT-PCR / ウエスタンブロット / 虚血・低酸素 / 培養 / 脳浮腫 |
Research Abstract |
脳微小血管に発現しているAQPのサブタイプを同定した。また、それらの高濃度グルコースまたはNaClによる変化を解析した。さらに、脳虚血・低酸素による発現の変化を調べた。 ラット大脳皮質から脳微小血管を、高濃度アルブミン溶液を使用した遠心分離とグラスビーズ濾過法を用いて調製した。AQPサブタイプ1〜5のmRNAを逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-RCR)で解析すると、AQP4のみが特異的に発現していた.AQP4蛋白は、30kDaのバンドとオリゴマーと考えられる高分子量のバンドと、さらに分子量の高い不溶性のバンドとして検出された。 さらに、免疫組織化学染色で、AQP4は脳微小血管内皮細胞の細胞膜に局在していた。これらのことから、AQP4が、脳微小血管の水輸送を担っていることが判明した。 脳微小血管内皮細胞を1%酸素下、高濃度(45mM)グルコース存在下、または高濃度(250mM)NaCl存在下で培養したが、AQP4のmRNAレベルには、変化は無かった。 さらに、Willis大脳動脈輪の欠損しているスナネズミの頸動脈を結紮し、大脳皮質、海馬、小脳のAQP4レベルを、ウエスタンブロットで解析したところ、虚血によって減少傾向であった。 現在、脳微小血管にAQP6〜9のサブタイプが発現しているかを調べると共に、マンニトールやグルココルチコイド等の脳浮腫の治療に用いられる薬物によって脳微小血管のAQPサブタイプの発現変化を解析している。
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Research Products
(2 results)