2002 Fiscal Year Annual Research Report
高機能α-ガラクトシダーゼの創出とファブリー病酵素補充療法への適用
Project/Area Number |
13672409
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
加瀬 良一 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20150203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新本 美智枝 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20216237)
桜庭 均 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (60114493)
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Keywords | ファブリー病 / α-ガラクトシダーゼ / リソソーム / 酵素補充療法 |
Research Abstract |
酵素補充療法をおこなう場合、リソソーム酵素の細胞内の取り込みには、マンノース-6-リン酸受容体を介する経路がよく知られている。リン酸含有量の大きい高マンノース糖鎖を有し、糖鎖加工によりマンノース-6-リン酸を露出させるのに有利であると推測されるPichia pastorisを、α-ガラクトシダーゼ発現用酵母に用い、糖鎖を導入することを試みた。得られたα-ガラクトシダーゼ糖鎖に対し、α-マンノシダーゼによる加工をおこなった。細胞レベルでのα-ガラクトシダーゼ取り込みの確認には、ファブリー病患者由来のα-ガラクトシダーゼ欠損細胞を用いた。その結果、取り込みの顕著な上昇が認められ、同時に、その取り込みはマンノース-6-リン酸により阻害を受けることから、マンノース-6-リン酸経路を介するものと考えられた。一方、X線結晶構造解析により明らかにされたα-ガラクトシダーゼの立体構造から、2つのアスパラギン酸残基が酵素活性発現に必須であると考えられた。これらアスパラギン酸残基の機能を明らかにするために、部位特異的変異を導入して、アスパラギン酸残基をグルタミン酸残基に置換した変異体α-ガラクトシダーゼを作製した。酵素反応の最大速度を比較すると、各1つのアスパラギン酸を置換した変異体は、正常α-ガラクトシダーゼの1/2および1/6を示し、同時に2つの変異を導入した変異体も1/6を示した。これら変異体は、基質に対する親和性には変化がなく、最大速度変異体α-ガラクトシダーゼを人為的に作製することに成功したこと、および解析結果より231番目のアスパラギン酸残基が酵素反応の律速段階を担っていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Utsumi K.: "Western blotting analysis of the β-hexosaminidase α-and β-subunits in cultured fibroblasts from cases of various forms of GM_2 gangliosidosis"Acta Neurol. Scand.. 105. 427-430 (2002)
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[Publications] Naganawa Y.: "In vitro study of encapsulation Therapy for Fabry disease using genetically engineered CHO cell line"Cell Transplant. 11. 325-329 (2002)
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[Publications] Takahashi H.: "Long-term systemic therapy of Fabry disease by adeno-associated virus-mediated muscle-directed gene transfer"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99. 13777-13782 (2002)
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[Publications] Chiba Y.: "Production in yeast of alpha-galactosidase A, a lysosomal enzyme applicable to enzyme replacement therapy for Fabry disease"Glycobiology. 12. 821-828 (2002)
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[Publications] Okumiya T.: "Imbalanced substrate specificity of mutant β-galactosidase in patients with Morquio B disease"Mol. Genet. Metabol.. 78. 51-58 (2003)